キオクシアが2026年第2四半期のNANDフラッシュ出荷シェアで中国のYMTCに抜かれ、世界3位から4位へ後退したことが明らかになりました。YMTCの出荷シェアは14%で初めて上位3社に入った一方、売上ベースの順位は入れ替わっていません。
サーバー向けの価格上昇で顧客が買い控え、キオクシアの伸びがYMTCに届かず
キオクシアは前四半期までNANDフラッシュの出荷シェアでサムスン、SK hynixに次ぐ位置につけてきました。AIデータセンター向けの需要拡大を受けて近年はサーバー向けへ軸足を移しており、自社出荷の30%超を企業向けSSDなどのサーバー用途へ振り向けています。
調査会社のCounterpoint Researchが8月12日に公開した2026年第2四半期の調査によると、NANDの出荷ビットシェアはサムスンが25%で首位、Solidigmを含むSK hynixが22%で2位となり、YMTCが14%で3位に入り、キオクシアが4位、Micronが5位と続く並びになりました。YMTCは中国・武漢を拠点とするNANDメーカーで、2022年から米商務省のエンティティリストに掲載されていますが、ビット出荷は前年同期比22%増・前四半期比5%増と拡大が続いており、267層の3D NANDを量産しながら300層超の技術も開発しています。
この1年でサーバー向けSSDはNAND出荷ビット全体の26%から48%へ拡大し、業界の売上も5倍に膨らみました。上位2社では、SK hynixが企業向けSSDを手がける傘下Solidigmのビット出荷を前四半期比40%増と伸ばし、大連のNAND生産能力を1.5倍へ増強する計画も進めています。一方、首位のサムスンは2024年第2四半期の32%から25%へシェアを下げていますが、これは失速ではなく、NAND生産ラインをDRAMへ転換する動きを進めて高採算のDRAMを優先してきた選択の延長にあります。
キオクシアが軸足を置くサーバー向けでは価格の上昇も続いており、この値上がりを受けて顧客が購入を控えた結果、出荷の伸びがYMTCに届かなかったとのことです。YMTCはその逆で、各社がサーバー向けやDRAMへ生産を寄せるなかで手薄になったコンシューマー向けを取り込み、出荷を積み増しました。
もっとも、売上で見るとYMTCは5位で、Micronとキオクシアの後ろにつけています。これは、YMTCが伸ばしたコンシューマー向けの単価が低い一方、現在の市場では売上の急拡大が高単価のサーバー向けSSDに偏っているためです。このため、ビットを多く出した順と稼いだ順は一致せず、キオクシアがYMTCに明け渡したのは出荷の順位であって、稼ぐ力ではなお上にいるとみられます。ただ、YMTCも3位を固めるため、下期には製品構成をサーバー向けSSD側へ移す計画とのことです。
国内の1TB SSDは3か月横ばい。緩和の目安は2027年後半
国内では、1TB NVMe SSDの価格中央値が5月中旬の約3万4,400円から8月12日時点の約3万5,000円と、この3か月ほぼ横ばいで推移しています。2TBモデルの中央値も約5万8,500円で変わらず、出荷で3位に入った中国勢の増産が、店頭のコンシューマー向け価格を押し下げるところまでは効いていません。
加えてCounterpointは、サーバー向けSSDが2026年末までにNAND出荷ビット全体の半分超を吸収するとみており、コンシューマー向けに回る取り分は今後さらに細ることになります。2027年の供給枠は既に完売しており、不足の緩和も2027年後半が目安とされているため、SSDを買い足す予定があるなら、値下がりを待つ根拠は薄く、必要な容量を現在の価格で確保しておく方が堅実です。


