AI向けの需要でHDDの供給逼迫と値上がりが続くなか、HDD大手のSeagateが、データセンター向けHDDの供給の大半を2028年分まで割り当て済みで、一部のクラウド事業者とは2030年までの契約も結んでいることを明らかにしました。国内でも、8TBを超えるHDDの平均価格はこの1年で2倍前後になっています。
Seagateは一部のクラウド事業者と2030年まで契約。2028年分は値上げの可能性
Western Digitalが2026年の生産分の完売を明かしたのに続き、Seagateも7月の決算説明会で、データセンター向けHDDの大半を2028年まで長期契約で割り当てていると説明していました。10月27日に開かれた7〜9月期の決算説明会では、一部のクラウド事業者と2030年までの契約を結んでいることも明らかにしました。
数年先まで契約が埋まっているのは、クラウド向けのストレージ需要が想定より速く伸びているためで、計画を上回って作れる分にも、すでに引き取り先がついているとのことです。AIが生むデータを消さずに残して再利用する使い方が広がっており、保存に必要な容量はこの先も増え続けると説明しています。
Seagateはこの需要に対し、生産台数を増やさず1台あたりの容量を上げて応える方針で、最大44TBのMozaic 4の量産を大手クラウド2社向けに広げているほか、50TBを超えるMozaic 5も2027年末に顧客向けのサンプル出荷を始める予定です。出荷容量は年20%台半ばのペースで伸びる見通しですが、2028年までは供給の逼迫が続くとみています。
価格まで契約で決まっているのは2027年に出荷する分までで、2028年分は製品の内訳を出荷のおよそ1年前に固めてから価格を決めるため、これから数四半期かけて顧客と詰めるとのことです。需要が今の強さのままなら、一部の契約はより高い価格で決まる可能性があるとしています。
国内でも大容量HDDほど値上がりが続き、16TB以上は2025年11月の2倍超に
Seagateはすでに製品全体で値上げを進めており、データセンター向け以外の製品では、7〜9月期の出荷容量が前年同期から1%しか増えていないのに、売上は52%増えています。国内の店頭でも、8〜16TBと16TB以上のHDDは平均価格が2025年11月から2倍前後に上がり、10月下旬にそろって最高値を更新しました。一方、2月の時点では最も値上がりしていた8TB以下は、夏以降は4万円前後を維持しており、上がり方が緩やかになっています。
| 容量帯(平均価格) | 2025年11月 | 2026年2月 | 2026年8月 | 10月28日 |
|---|---|---|---|---|
| 8TB以下 | 約2.3万円 | 約3.3万円 | 約4.0万円 | 約4.1万円 |
| 8〜16TB | 約4.9万円 | 約6.2万円 | 約9.1万円 | 約9.9万円 |
| 16TB以上 | 約8.2万円 | 約9.7万円 | 約15.2万円 | 約17.7万円 |
大容量のHDDは、NAS向けもデータセンター向けと同じ世代の製品として展開されており、Seagateの24TBモデルもExos X24とIronWolf Proで相次いで出ています。そのため、容量の大きいHDDほどデータセンター向けの逼迫と値上げの影響をそのまま受け、今も値上がりが続いているとみられます。
Seagateが2027年に出荷する分の価格はすでに契約で固まっているため、国内の大容量HDDは来年も値下がりしにくく、2028年分の価格も引き上げられれば、2028年に入っても値上がりが続くことになりそうです。


