2027年のメモリ生産枠は既に完売。PCやスマホ向けの取り分は今年より減少へ

2027年のメモリ生産枠は既に完売。PCやスマホ向けの取り分は今年より減少へ

メモリ大手3社の2027年通年分の供給枠が、配分交渉を終えてすでに完売していることが明らかになりました。

目次

2027年のメモリは配分は既に完売。コンシューマー向けは要望の6〜7割しか出荷されず

AI向けデータセンターの需要拡大により、メモリ市場では2025年末には2026年の生産分がほぼ予約で埋まり、サムスン・SK Hynix・Micronの三大メーカーがクラウド大手と3〜5年におよぶ長期供給契約(LTA)の締結を進めるなか、2027年以降の供給交渉も始まっていたようです。

そんななか、台湾のDigiTimesによると、2026年の7〜8月が2027年分の配分交渉の山場にあたり、サムスン、SK Hynix、Micronの大手3社が供給するDRAMとHBMについて、2027年通年分の供給枠はすべて埋まったとのことです。配分の対象は、長期契約を結ぶ大口顧客だけでなく、2026年に配分を受けたものの長期契約には至っていない中小規模の買い手にも及び、いずれも手付金の支払いが条件とされています。

ただ、各社が実際に確保できる枠は、当初提示した要望量の6〜7割程度にとどまるのが通例で、限られた生産能力はクラウド事業者(CSP)やAI大手へ優先的に割り当てられます。その結果、2027年のPC・スマートフォン向け配分は、2026年より明確に減少するとのことです。

ADATA会長の陳立白氏も、三大メーカーの2027年分が完売したことを認めたうえで、HBMとAIサーバー向けDRAMだけで2027年のDRAM生産能力の約7割を占めると述べており、一般市場へ回るDRAMは2027年に大きく絞られるとの警告どおりの状況になりつつあります。供給枠の割り当てがすでに終わっている以上、これから交渉に入る買い手が確保できる量は限られ、2027年のメモリは価格より先に「自社へ回ってくるか」が決まることになります。

NANDはまだ枠が残るが、期限は8月末

NANDフラッシュは、サムスン・Micron・SanDiskの2027年通年分の供給枠がすでに完売しているものの、KioxiaとSK Hynixの配分は、各社の社内スケジュールの違いから2026年8月末までに確定する見込みです。DRAMより供給元が多い分、買い手が条件を交渉する余地は残っており、SSDの調達にはまだわずかな猶予があるとみられます。ただ、企業向けSSDの需要が引き続き強いため、NANDの品不足は2028年まで続くとの見方も業界関係者から示されています。

値上げ幅は鈍っても価格は下がらない

こうして配分の確定が進むにつれ、2027年のメモリ価格は上げ幅が鈍化する見込みですが、DRAM・NANDの最終価格は実際の出荷時期が近づいてから決まるとのことです。上げ幅の鈍化は2026年にもすでに起きており、TrendForceは第3四半期の上げ幅が抑制されるとの予測を示していますが、その理由は供給不足の解消ではなく、消費者側がこれ以上の値上げを受け入れられなくなったことにあります。

2027年の鈍化も、配分が先に決まり、奪い合いが起きにくくなった結果にすぎず、2030年以降も2025年の価格には戻らないとする長期予測と合わせると、高値の水準そのものは変わらないとみられます。

この配分縮小は、単体メモリの価格だけでなく、BTOや完成品PCの標準構成にも表れます。すでにComputex 2026では8GBメモリを標準搭載した製品も投入されているほか、Microsoftも8GBメモリ環境への最適化を進めることを表明するなど、今後もPCやスマホではメモリ容量の据え置きや削減という形で、消費者の選択肢そのものが削られていくことになります。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

目次