DRAMやNANDフラッシュの契約価格は2026年第2四半期に60%近い跳ね上がりを見せましたが、TrendForceの最新調査によると、2026年第3四半期も値上げは続くものの、その幅は大幅に抑制される見通しであることが明らかになりました。
メモリ価格高騰が若干ながら鈍化へ
AI推論やハイパースケール向けデータセンターの需要は依然強く、DRAM・NANDの各メーカーは生産能力をより収益性の高いサーバー向け製品へ振り向け続けています。2026年第2四半期の上昇率は30〜50%まで鈍化するとの予測もありましたが、実際には約60%という記録的な跳ね上がりとなりました。
しかし、TrendForceによると2026年第3四半期も値上げが行われるものの、DRAMは前期比13〜18%の上昇、NANDフラッシュは10~15%上昇と第2四半期に比べて値上がりが抑制される予測を明らかにしています。
値上がり鈍化の理由はコンシューマーが付いていけてないため
サーバー向けを中心とするDRAMは2027年頃まで需要が堅調に続くと見込まれており、Micronは長期契約を複数獲得し、2030年頃まで供給不足を背景としたメモリ価格高騰は続く見通しが立てられる状況に陥っています。しかし、今回の値上がり鈍化について、TrendForceは供給不足の解消によるものではなく、コンシューマー機器メーカー側がこれ以上の値上げを受け入れられなくなったことが背景にあることを明らかにしています。
特に、値上がりの影響を大きく受けるノートPCやスマートフォンでは、高いメモリコストが徐々に小売価格へ波及しつつあり、出荷抑制が今後本格化するとのことです。
SSDは在庫過多で契約価格の交渉にも応じ始める?
DRAMと同様にSSDもコンシューマー向け製品を中心に値上げへの抵抗が強まっているようで、PCメーカーは2026年上半期にクライアントSSDの在庫を積み増し、これ以上の値上げ受け入れには及び腰です。また、この状況を受けてサプライヤー側も契約交渉に柔軟な姿勢を見せ始めており、SSD価格の上昇ペースはやや落ち着く方向にあります。
価格高騰で需要にはムラ。ただし主役のサーバーが値上げを今後もけん引?
このDRAMやNANDフラッシュ価格高騰を受けて需要にはムラが出始めているようで、RTX PRO 6000 BlackwellなどGDDR7を使うワークステーション向けグラフィックカードは期待されたほど需要がないほか、ノートPC出荷の鈍化もGDDR6/GDDR7などのグラフィックスメモリ需要を押し下げています。加えて、USBメモリやメモリーカードといった小売製品も、上流コストをそのまま乗せづらく低調なままです。
ただ、DRAMやNANDフラッシュ需要の主役であるサーバー向け製品の需要は落ち着いていないため、今回はあくまで値上げ幅が抑制されるだけにとどまります。DRAMやNANDメーカー側は契約価格の高いサーバー向けを最優先で供給する姿勢を崩していないため、値上げが今後も抑制され続ける保証はなく、値上がり自体はなお続く見通しです。

