Intelはデスクトップ向けCPU「Nova Lake-S」に内蔵GPUを12コア搭載するモデルを投入予定でしたが、どうやらこのモデルは後継のRazor Lake-Sと同時期の投入へ延期されたようです。
Nova Lake-Sの内蔵GPU 12コア版はRazor Lake-S 12Xeへ名称変更
Nova Lake-SはIntelが2027年に発売する次世代のデスクトップ向けCPUで、標準モデルの内蔵GPUはXe3の最大2コアです。これとは別に、Xe3の改良版であるXe3Pの内蔵GPUを12コア搭載する「Nova Lake-S 12Xe」が存在することを、リーカーのJaykihn氏が4月に明らかにしていました。CPU部はP-Core 4基、E-Core 8基、LP-Eコア4基の合計16コアのミドルレンジ構成で、投入はハイエンドやミドルレンジ向けNova Lake-Sと同じ2027年第2四半期に見込まれていました。
しかし、リーカーのJaykihn氏によると、このNova Lake-S 12XeがRazor Lake-S 12Xeへ変更されたことを明らかにしました。Razor LakeはNova Lake-Sの後継として、9月に公開された中国のIntel認定販売代理店の説明会資料で2027年第4四半期以降に登場する見通しで、12Xe版もこの枠に入るとすれば当初の見込みから半年ほど後ろへずれることになります。
Nova LakeからRazor Lakeへの名称変更には先例があり、Razor Lake-AXは開発中止となったNova Lake-AXの設計を流用した製品で、CPUコアもNova Lakeと同じまま名前だけがRazor Lakeに変わっています。一方、通常のRazor Lake-Sには新設計のP-Core「Griffin Cove」が載るとされているため、同じRazor Lakeの名前でも、AXは旧世代のコア、Sは新世代のコアと中身が違います。Razor Lake-S 12Xeも、AXと同じようにNova Lake世代の設計を名前だけ変えて出す可能性があり、その場合はGriffin Coveを積まない16コアのCPUになります。
2027年前半に内蔵GPUだけで組むならAMDのAPUが先行
12Xe版が2027年末以降へずれたことで、2027年前半に内蔵GPUだけでゲームができる新CPUは、AMDのZen 6世代APU「Medusa1」が先行することになります。デスクトップ向けZen 6「Olympic Ridge」は内蔵GPUを廃止しますが、AMDにはZen 6世代のAPU「Medusa1」があり、8月にAMDの技術情報ポータルにAM5用として記載されていることが確認され、CES 2027で正式発表される見込みです。ただし、Zen 6世代のAPUは内蔵GPUの演算性能がRDNA 3.5相当にとどまる見通しです。
一方、Razor Lake-S 12Xeに搭載されるXe3P 12コアは、RDNA 3.5を搭載するAPUを大幅に上回るグラフィックス性能が見込まれています。そのため、内蔵GPU性能を重視するならRazor Lake-S 12Xeの登場を待つ選択肢もあります。また、2027年初めに登場するNova Lake-SではLGA 1954ソケットへ刷新され、Razor Lake世代も同じソケットをサポートする見通しのため、先にNova Lake-Sを導入し、後からRazor Lake-S 12Xeへ乗り換えることもできます。
ただし、12Xe版は内蔵GPU用の電源回路(VCCGT)に2フェーズのVRMを求める特殊な設計になるとも言われています。対応CPUの登場が2027年末まで遅れる場合、初期に登場するLGA 1954マザーボードでは、この電源設計が省かれる可能性もあります。そのため、将来的にRazor Lake-S 12Xeへの乗り換えを考えている場合は、マザーボード選びにも注意が必要になりそうです。


