IntelのAPU「Razer Lake-AX」はオーバークロックに対応せず、CPU部分は開発中止となったNova Lake-AXの設計をほぼ引き継ぐ見通しであることが明らかになりました。P-CoreとE-CoreにはNova Lakeと同じCoyote CoveとArctic Wolfが採用され、コアの世代は据え置かれます。
Razer Lake-AXはNova Lake世代のまま、Sだけが新コアで1世代先行
Razer Lake-AXは、AMDのStrix Haloに対抗する大型の内蔵GPUを備えたAPUで、当初はNova Lake-AXの名称でリークされていた製品です。しかし、Intel広報が対抗製品の計画そのものを否定したことから、一時は開発中止説が浮上していました。
その後、2026年5月にはNova Lake-AXがRazer Lake-AXへ改名のうえ開発が続行されることが報じられ、投入時期は2027年末から2028年初旬と伝えられていました。
しかし、このRazer Lake-AXについて、CPU部分の多くがNova Lake世代のまま据え置かれることが、リーカーのJaykihn氏の回答から明らかになりました。
Jaykihn氏はXで、Razer Lake-AXのP-CoreがCoyote Cove、E-CoreがArctic WolfとNova Lakeと同じ構成であることに加え、開発中止となったNova Lake-AXで登場予定だったモデルをベースにしていることを認めています。さらに、オーバークロックにも対応しないとのことです。
中止されたはずの設計がほぼそのまま生きていることから、今回の改名は仕切り直しではなく、完成していた設計資産を流用して投入までの時間を稼ぐための措置とみられます。
一方、Razer Lake-Sについては、同氏はRazer Lake-AXとは異なるP-Core/E-Core構成になることを認めています。5月の時点でMoore's Law Is Dead氏が、Razer Lake-SとモバイルHXシリーズには新設計のGriffin Cove P-Coreが採用されると伝えていたため、同じRazer Lake世代でもRazer Lake-AXだけが1世代前のコアに据え置かれることになります。
それでもRazer Lake-AXが古いコアのまま成立するのは、主役がCPUではなく、Xe3Pコア16基と32基の2構成に整理された大型内蔵GPUだからと考えられます。グラフィックス性能はRazer Lake-AX、CPU性能はRazer Lake-Sと、同じ世代名でも狙いが分かれると考えられます。
なお、Razer Lake-AXにはオンパッケージメモリを採用する計画も伝えられており、今回のオーバークロック非対応と合わせると、メモリの増設もクロックの調整もできない、完成品前提の製品になります。
Razer Lake-AXは出荷記録ではLGA 4326という巨大なソケットで登録されており、ソケット式で投入される可能性は残っていますが、仮にそうなっても自作デスクトップで手を入れる余地はほとんどありません。Razer Lake世代でパーツを選んで組める対象は、新設計のP-Coreを備えるRazer Lake-Sだけになります。


