AMDの携帯ゲーミングPC向け次世代チップ「Ryzen Z3」は、Zen 6世代のノートPC向けAPUと同じ設計を使いながら、CPUコアを減らしてGPUを12CUに増やした携帯機専用の構成になるようです。
Ryzen Z3はMedusa Pointと同じ設計を携帯機向けに組み直したチップに
AMDのRyzen Zシリーズの上位モデルは、これまでノートPC向けAPUを携帯機の電力に合わせて調整したもので、Ryzen Z1 ExtremeはRyzen 7040シリーズをもとにしていました。現行のRyzen Z2 ExtremeもStrix Pointをもとにしており、CPU 8コア(Zen 5×3+Zen 5c×5)とRDNA 3.5のGPU 16CUを、ノートPCと同じFP8(25×40mm)というパッケージに載せて15〜35Wで動作します。
same IP, semi-customized, FF6 25x25mm package.
— Gotou_3rd (@Gotou_kai3) October 1, 2026
4c+2lp (maybe changed)
12CU
そんな中、リーカーのGotou_3rd氏によると、次のRyzen Z3はZen 6世代のノートPC向けAPU「Medusa Point」と同じCPU・GPUの設計を使うものの、Medusa Pointそのものではなく携帯機向けに構成を変えたチップとのことです。CaptainMcShotgun氏も、Z3は従来のZシリーズより大きく手が加えられているとしています。
標準のMedusa Pointは、Zen 6×4、高効率のZen 6c×4、待機時などに使う低電力コア×2の計10コアに8CUのGPUを組み合わせるとされています。これに対しGotou_3rd氏は、Z3はZen 6c×4を持たず、Zen 6×4+低電力コア×2の6コアとし、GPUは12CUに増やすとしており、CPU構成は変わる可能性もあると付け加えています。
さらに同氏は、パッケージもノートPC向けのFP8とは別のFF6(25×25mm)になるとしており、面積はFP8の約6割まで小さくなります。5月の時点でも、同氏はFF6を携帯機向けZ3のパッケージとみていました。動作電力も絞られており、Z3は15W、上位のZ3 Extremeは25Wに最適化されているとのことで、15〜35Wで動作するZ2 Extremeより低い電力を前提にしています。
GPUはRDNA 3.5ベースのRDNA 4m。CUは減るがFSR 4に対応へ
Z3のGPUはRDNA 4mで、Kepler_L2氏が「RDNA 3.5+」と表すようにRDNA 3.5を土台にしていますが、Linux向けのコンパイラーではRDNA 4mにRDNA 4と同じFP8の行列演算命令が追加されています。AMDのアップスケーリング技術「FSR 4」はRDNA 4ではこのFP8の行列演算を使って動作するため、RDNA 4mもFSR 4をハードウェアで動かせる見込みです。一方で、FP8に対応しないRDNA 3.5を積むZ2 Extremeについては、AMDが6月に、RDNA 3系の内蔵GPU向けにFSR 4.1を動かす軽量な機械学習モデルを開発中と表明したものの、提供時期はまだ示されていません。
ただ、RDNA 4mで加わった命令はAI処理向けが中心で、描画を受け持つ部分はRDNA 3.5とほぼ同じ作りです。しかもZ3のチップはCUがZ2 Extremeより4基少ない12CUのため、描画性能を大きく伸ばすチップにはならないとみられます。
そのため、ノートPC向けAPUの派生だったZ2 Extremeまでと違い、Z3は低い電力と小さなパッケージに合わせて組み直され、CU数そのものを増やしてゲーミング性能を上げるというより、FSR 4を組み合わせて低い消費電力やコストと性能の両立を目指すものになると考えられます。


