CXMTが年内にMicron級の生産能力に到達へ。ただし増産分は中国国内で吸収

CXMTが年内にMicron級の生産能力に到達へ。ただし増産分は中国国内で吸収

中国のDRAMメーカーCXMTが、2026年末までに米Micronに迫る生産能力に到達する見通しであることが調査会社のCitriniにより明らかになりました。

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CXMTが年内にMicron級の生産能力へ、中国は技術移転で拡大加速

CXMT(ChangXin Memory Technologies)は中国最大のDRAMメーカーで、CXMT製DDR5は大手3社と同水準の価格で取引条件の柔軟さを武器にシェアを広げてきました。調査会社Citrini Researchの分析によると、CXMTは2026年末までに約35万WSPM(月産ウエハー投入枚数)の生産能力に達し、Micronの37.5万WSPMとの差はわずか2.5万WSPMまで縮まる見通しです。

こうしたCXMT単独の伸びにとどまらず、中国政府は同社の技術をJHICC・Swaysure・YMTC子会社のXMCへ移転するよう促しています。深センのSwaysureは14万WSPM規模の工場建設をすでに完了しました。晋江のJHICCは12万WSPM分のクリーンルームを整備し、うち初期6万WSPM分は2026年内に設備搬入を予定、武漢のXMCも5万WSPMのDRAM生産を計画しています。

これらが軒並み稼働すれば、サムスン、SK hynixの中国工場を除く中国全体は60万WSPMに達し、韓国には及ばないものの日本・台湾・米国の合計を上回る規模になるとみられます。また、計画通りに進めば、2030年には中国全体で約141万WSPMまで拡大するとの予測も示されています。

もっとも、この141万WSPMの中心を占めるCXMT自身の2030年時点の内訳を見ると、約40万WSPM分が旧世代のD1aのまま残る想定です。2026年末のウエハー投入枚数上の差が2.5万WSPMまで縮まっても、この世代構成を踏まえると、ビット換算での実質的な生産量ギャップは縮まっていない可能性があります。

立ちはだかる液浸DUVの壁

この拡大計画の実現は、液浸DUVスキャナー(先端メモリの回路パターンを焼き付ける露光装置)の調達可否にも懸かっています。供給元は事実上ASML・Canon・Nikonの3社に限られ、部品点数が数万点に及ぶ複雑な機械であるため急な増産ができません。そのため、中国国産のSMEE・SiCarrier(裕量晟)も、2026年7月15日時点で商用の液浸DUVシステムを1台も納入できていません。

Citriniは、SMEEの国産スキャナーが2026年末から2027年初頭に量産を開始し、SiCarrierも2028年に独自の量産対応プラットフォームを投入すると見込んでおり、装置制約は2028年以降、成熟ロジック・DRAMノードに限れば中国の生産を制約しなくなると分析しています。ただ、この見立てを「やや楽観的」とも言え、SMEEとSiCarrierの立ち上げにはさらに時間がかかるとみて、2030年代序盤より前に中国製装置が意味のあるDRAM量産に貢献するとは見込みにくいという見方もあるようです。

供給が増えても解消しない世界のメモリ不足

装置の制約を乗り越えて中国の増産計画が実現したとしても、世界的なメモリ不足そのものは解消しません。実際、Citriniは2030年の世界DRAM需要を年157.5EBと予測しています。これに対し供給はHBM系が37.5EB(主にMicron、サムスン、SK hynix)と一般DRAM91.3EB(中国分含む)にとどまり、差し引き約28.7EB、率にして約25%の不足が残るとしています。

そのため、中国勢の増産効果は2028年まで限定的とする話や、CXMTを含む中国勢の増産はDDR5調達難や価格を近い将来に緩和する材料にはなりにくいと言えそうです。特に需給ギャップは2030年超えても解消しないとSK Hynix自身も認めている通り、今回の増産分も大半は中国国内の需要に吸収され、値下がりや品薄解消にはつながらない見通しです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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