SK Hynixは、2027年が同社にとってメモリ供給不足の「最悪の年」になるとの見通しを示しました。さらに需給ギャップは2030年を超えても解消しないとの予測もあわせて明らかにしています。
HBM優先生産でDRAM供給不足が長期化
AI向けアクセラレータに使われるHBM(広帯域メモリ)は、一般的なDDR5より高度な製造・パッケージング工程を必要とするうえ、消費するウェハ容量も多いため、メーカー各社は供給をHBM優先で再配分せざるを得ない状況が続いています。
メモリ不足は「2027年が最悪」とSK HynixがNASDAQ上場時に発言
SKグループの崔泰源会長も3月に示した2030年までの供給不足見通しでは、業界全体で20%以上の供給不足が続くとされており、当時は調査会社Counterpoint Researchが不足のピークを2027年後半と予測していました。そんな中でNASDAQへ上場したSK Hynix CEOの郭魯正氏はReutersの取材に対し、「来年は業界史上、供給面で最悪の年になると予測している」と述べ、2027年を供給不足の底に位置付けました。あわせて「2030年を超えても顧客需要が供給能力を上回る状態が続く」とも語っており、工場新設など増産を行ってもメモリ不足の解消時期は見通せないことを明らかにしています。
メモリ不足は今後も継続。上げ幅は鈍化しても上がり続ける?
この間、SK HynixやMicronは複数年にわたる長期供給契約(LTA)の締結を進めてきました。MicrosoftとGoogleが4月に提案した3年契約もSK Hynixなどが対象で、価格の下限・上限をあらかじめ取り決めるこうした契約の広がりは、供給不足が投機的な観測ではなく契約という形で市場に織り込まれつつある段階へ移っていることを示しているといえそうです。
こうした動きと並行して、直近のTrendForce四半期予測が示す上昇率の鈍化も、供給不足の解消ではなく値上げペースの鈍化にとどまります。CEOが2027年を底として名指しし、2030年超えの継続にも触れた今回の発言を踏まえると、数年単位でDRAM調達や自作PC・BTOの購入計画を立てているなら、目先の鈍化を解消の兆しと捉えず、高値・不足が数年続く前提で予算を組んでおいた方が現実的です。


