Appleの次世代チップ「M7 Ultra」は、最大1.5TB(1,536GB)のユニファイドメモリに対応する設計であることが明らかになりました。M5 Ultraの計画容量の2倍にあたり、2019年のIntel版Mac Proに並ぶ規模ですが、実際にこの構成を提供するかどうかはメモリ供給状況次第とされています。
M7 Ultraはユニファイドメモリ最大1.5TBに対応する設計
Appleの次世代Apple Siliconロードマップでは、M6世代はPro/Maxを飛ばしM7へ統合する計画とされており、Mac Studio向け最上位の「M7 Ultra」は2028年の投入が見込まれています。この最新モデルについて、Bloombergの「Power On」ニュースレターでMark Gurman氏が、ユニファイドメモリを最大1.5TB(1,536GB)まで搭載できる設計だと明らかにしました。
M5 Ultraは最大768GBのユニファイドメモリに対応する計画ですが、今回判明した1.5TBはその768GBのちょうど2倍にあたり、2019年発売のIntel版Mac Proが対応していた最大メモリ容量とも並びます。当時のMac Proは通常の増設メモリでの実現だった一方、M7 Ultraはユニファイドメモリという一体型構成でこの容量に届く点が異なります。
現行モデルのM3 Ultra搭載Mac Studioは、メモリ帯域819GB/sで96GB構成が5,299ドル(899,800円)から用意されており、かつて販売されていた512GB構成では671BパラメーターのDeepSeek R1を4bit量子化のうえ毎秒17〜18トークンでローカル実行できることも確認されています。この512GB構成と比べても、1.5TBは3倍の容量にあたり、より大規模なLLMの動作が可能となります。
なお、M7 Ultraの具体的なCPU・GPUのコア数や、1.5TB構成のメモリ帯域には言及はありませんが、M5では153GB/sだった帯域幅がM6で200GB/s、M7ベースモデルで240GB/sへと伸びてきた流れを踏まえると、M7 UltraではLPDDR6採用やバス幅拡大により1TB/sを超える帯域幅に達する可能性があります。
出荷はメモリ供給状況次第。M5 Ultraも同じ壁に直面
もっとも、この1.5TB構成を実際に提供するかどうかは業界の状況次第だとGurman氏自身が留保しており、確定した仕様ではありません。2026年後半の投入を控えるM5 Ultraも同じ壁にすでに直面しており、深刻なメモリチップ不足による調達難と価格上昇をBloombergは指摘しています。AppleのCXMT調達は供給不足回避が真の狙いだとKuo氏が指摘するように、世界有数の調達力を持つAppleでもコストではなく数量の確保そのものが優先課題になっており、768GB構成ですら出荷可否が読めない状況です。そのため、2年以上先となる1.5TB構成が実際の店頭選択肢になる保証はさらに薄いとみられます。
ただ、1.5TBを本当に必要とするのは、超大規模なローカルLLMを動かす開発者・研究者層にほぼ限られます。同じ用途でもAMDは192GB統合メモリで300B超LLMのローカル実行に対応するRyzen AI MAX PRO 400を2026年から投入しており、両者は容量の桁も現実味も異なります。そのため、もし数百B級のモデルをいま手元で動かしたいなら、2028年の不確実なM7 Ultraを待つより、実在するAMD機やDGX Sparkなど既判を選ぶ方が現実的な判断です。


