AMDの最新Radeonドライバーの内部から、これまで表に出ていなかったFSRのフレーム生成倍率選択肢に最大8倍が含まれており、NVIDIAやIntelの現行値を上回る数値での実装が検討されていることが明らかになりました。
Adrenalin 26.6.2に8倍のフレーム生成の設定が存在
AMDが6月23日に配信したAdrenalinドライバー「26.6.2」は、RDNA 3世代のRadeon RX 7000シリーズへFSR 4.1を初めて対応させたバージョンです。ただ、リリース直後にWindows 10環境でGPUが認識されなくなる不具合も見つかっています。
この26.6.2の内部を、GitHub公開のオープンソースツール「RadeonTuner」で調べたChiphell Forumsのユーザーが、純正のAdrenalinソフトには表示されない4つの新設定を見つけました。Radeon RX 9070 XTでの確認結果としてスクリーンショット付きで投稿された「FSR」パネルには、フレーム生成の倍率を選べる「Multi Frame Generation Ratio」(最大8倍)に加え、オーバーライド機能として「Ray Regeneration Denoiser Override」、「Neural Radiance Caching Override」の3項目が並んでいます。
NVIDIAの6倍・Intelの4倍を上回るフレーム生成

AMDのフレーム生成は現状、ネイティブ1枚につき1枚の生成にすぎず、NVIDIAの現行DLSS MFG(最大6倍)やIntelの現行MFG(最大4倍)にも届いていません。そこへ今回見つかった「Multi Frame Generation Ratio」は一気に最大8倍まで選べる仕組みで、実現すれば単純な倍率では両社を上回ります。
AMDは2026年4月にも、開発者向けのADLX FidelityFX SDKでフレーム生成比率を選べる仕組みの土台を追加しており、今回の発見はその延長線上にあると考えられます。ただし、MFGが正式に使えるRadeon GPUは現時点で存在せず、対応GPUやMFG自体の解禁時期についてもAMD公式のコメントもありません。ドライバーコードから発見されたIntelのMFG開発が正式対応まで数か月を要したように、AMDも同様の検証期間を経る可能性があります。
Ray RegenerationとNRCも対象に
残る2項目、「Ray Regeneration Denoiser Override」と「Neural Radiance Caching Override」は、AMDが2025年5月に発表したFSR Redstoneに含まれるRay RegenerationとNeural Radiance Cache(NRC)を、手動で切り替えるためのオーバーライドとみられます。
Ray RegenerationとNRCは、いずれも現状Call of Duty: Black Ops 7やCrimson Desertなど対応タイトルが限られていますが、オーバーライドを手動で有効化できるようになれば対応外のゲームにも恩恵を広げられる可能性があります。なお、このMFGはドライバーに含まれているだけでこのツールを通じで動作させることもできないとのことです。また、MFGを正式対応するRadeon世代や正式な提供時期は不明であり、まだ開発段階であることは明白であるため、いずれもAMDの発表を待つ必要があります。


