Google Pixel 11 Proに初採用されたMediaTek製モデムの実測比較が公開され、先代Pixel 10 Proに対して屋内の下り速度が約22%伸び、弱い電波環境では5G接続を維持できた一方、屋外での受信感度やアップロード速度は逆に先代を下回るようです。
Pixel 11シリーズはモデムがMediaTek製に刷新
Pixelのモデムは初代Tensor搭載機以来サムスン製が続いてきましたが、Pixel 11シリーズではサムスン製モデムからMediaTek製へ置き換えられ、Googleは自社ストアの製品ページで、信頼性が高く、高速で、電力効率にも優れたモデムだと説明しています。
この主張を先代Pixel 10 Proとの同条件比較で確かめたのがAndroid Authorityの実測で、両機に同一のSIMカードを挿し、Wi-Fiを切断したセルラー通信のみの環境で、いずれもAndroid 17の最新版へ更新したうえで測定しています。テストは信号強度の測定が3地点、速度テストが屋内・屋外で各3回、動画再生によるバッテリーテストが30分となっています。
弱い電波でも5Gを維持。一方で屋外での受信感度は悪化
| 機種 | 弱い場所 | 中程度の場所 | 屋外 |
|---|---|---|---|
| Pixel 11 Pro | −99dBm(5G) | −97dBm(5G) | −82dBm(5G) |
| Pixel 10 Pro | −101dBm(4G) | −100dBm(5G) | −74dBm(5G) |
信号強度は、受信の弱い場所でPixel 11 Proが−99dBmで5G接続を維持した一方、Pixel 10 Proは−101dBmで4Gへ後退しました。4Gと5Gでは端末が測っている電波そのものが異なるため、2dBという数字の差よりも、同じ場所で5Gを掴み続けられたこと自体が実質的な差になるとみられます。中程度の場所でも新型が3dB良好でしたが、屋外では逆にPixel 10 Proが8dB強い値を示しました。ただ、受信感度は場所によって優劣があるものの、全体としては同等レベルと言え、モデルが変わったからといって劇的な改善や悪化はないようです。
速度は下りは先代より改善。上りは悪化
| 機種 | 弱い場所 | 中程度の場所 | 屋外 |
|---|---|---|---|
| Pixel 11 Pro | −99dBm(5G) | −97dBm(5G) | −82dBm(5G) |
| Pixel 10 Pro | −101dBm(4G) | −100dBm(5G) | −74dBm(5G) |
下り速度は屋外の平均が671Mbps対593.3Mbpsでおよそ13%、屋内では493.3Mbps対405.3Mbpsでおよそ22%、いずれもPixel 11 Proが上回っています。屋外のpingも新型は3回とも17msで揃っており、応答の安定性でも優位でした。
屋外(各3回)
| 機種 | 下り平均 | 上り平均 | ping平均 |
|---|---|---|---|
| Pixel 11 Pro | 671Mbps | 98.7Mbps | 17ms |
| Pixel 10 Pro | 593.3Mbps | 106.3Mbps | 18.7ms |
屋内(各3回)
| 機種 | 下り平均 | 上り平均 | ping平均 |
|---|---|---|---|
| Pixel 11 Pro | 493.3Mbps | 14.4Mbps | 21ms |
| Pixel 10 Pro | 405.3Mbps | 24.7Mbps | 18ms |
一方で上り速度は屋外が98.7Mbps対106.3Mbps、屋内は14.4Mbps対24.7Mbpsと、いずれも先代が上回りました。今回の結果では下り・上りの両方が改善したわけではないものの、基本的に動画のストリーミングやアプリのダウンロードでは下り速度が重要となるため、実使用では改善を感じやすい結果になっています。
消費電力も低減?
バッテリーテストは、同一のYouTube動画を1080p/60fps・HDR・セルラー通信で30分再生する条件で行われ、消費はPixel 11 Proが3%、Pixel 10 Proが5%でした。
| 機種 | 開始時 | 30分後 | 消費 |
|---|---|---|---|
| Pixel 11 Pro | 66% | 63% | 3% |
| Pixel 10 Pro | 61% | 56% | 5% |
ただ、Pixel 11 ProはTensor G6ではCPU性能が21%伸びており、Tensor G5搭載の先代とはSoC世代そのものが異なります。バッテリーテストも1名の筆者が単一のSIMで行った30分・1回きりの比較で、測定した側もモデム以外の要因が関与する可能性を認めているため、電池持ちの差をモデム単独の成果とは言い切れません。加えて測定に使われたキャリア名や地域は明かされておらず、周波数帯や5Gの構成が異なる国内キャリアで同じ差が出るとは限りません。
モデムはスマートフォンにとって生命線とも言える部品で、Pixelシリーズではモデム刷新時にさまざまな不具合や性能低下に見舞われてきましたが、今回のPixel 11シリーズのMediaTek製モデムでは、今のところ致命的と言える不具合はなく、性能も全体としては同等レベルにあるため、モデムの信頼性という観点では今のところ問題はなさそうです。


