Apple初の2nmチップ「M6」の登場を受け、TSMCが上位M系列でも採用が想定される先進パッケージの生産能力を増強していると報じられています。
Apple M6が2nmで登場。TSMCは上位M系列向けにパッケージ増強を進める
Apple siliconは長らくCPUやGPUを単一のダイに収める設計でしたが、2026年3月発表のM5 Pro/M5 Maxで初めてダイを2つに分け、「Fusion Architecture」と呼ぶ先進パッケージで1つのSoCへ接続する方式に移行しました。8月発表のM5 Ultraでは、このM5 Maxのデュアルダイ2個をUltraFusionで接続した4ダイ構成まで拡張されています。
台湾の工商時報によると、半導体業界では、M6 ProやM6 Maxなど上位のM6シリーズが登場した場合、TSMCの2nmダイとFusion Architectureを組み合わせ、ダイ間の接続密度向上にSoIC-MH、ロジックとLPDDRメモリ・高速I/Oの統合にWMCMを使う可能性があるとみられています。こうした構成では、1つの巨大なダイを作るのではなく、パッケージ技術で複数のダイを束ねることで、レチクル限界や歩留まりの問題を避けやすくなります。
こうした先進パッケージ需要に向けてTSMCは、竹南のAP6をSoICの主力量産拠点とし、龍潭のAP3では既存のInFO設備をWMCM向けに更新、嘉義のAP7ではWMCM・SoIC・CoWoSの新規生産を同時に担う体制で増強を進めているようです。加えてTSMCはWMCMの月産能力を2026年末の約6万枚から2027年には12万枚超へ拡大するとの予測もあり、2nm世代で製造コストが上昇する前工程と並行して、後工程にも投資が積み増されています。
M6 Pro/Maxなど上位チップ投入は流動的
M6 ProやM6 MaxなどM6の上位チップを巡っては、BloombergのMark Gurman氏が6月時点でM6 Pro/Maxの投入を見送る方針と報じており、上位チップの更新はM7世代へ移され、M7 Pro/M7 Maxが2027年末に投入されるとしていました。実際に8月25日に発表されたM6もMac mini向けのベースモデルのみで、Apple公式リリースに上位版への言及はありません。
一方、工商時報は上位M6系列が登場することを前提とした業界分析を伝えており、両者の内容は食い違っているため、M6の上位チップを巡る計画は流動的である可能性があります。ただ、仮にM6 Pro/Maxが登場する場合、2027年初頭頃に投入予定のMacBook Ultraが候補になり得ますが、Gurman氏は同モデルにはM5 Pro/M5 Maxが使われると報じています。M6の上位チップが登場しなかった場合には、2027年末のM7 Pro/M7 Maxまで上位チップの更新は行われないことになります。


