SK hynixがメモリ不足は2030年末まで続くと明言。その後も急激な需要減は起きにくいと予測

SK hynixがメモリ不足は2030年末まで続くと明言。その後も急激な需要減は起きにくいと予測

SK hynixが、現在のメモリ不足は2030年末まで続き、その後も過去のメモリ市況のような急激な需要減にはならないとの見通しを示しました。

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不足の終わりは2030年末。カスタム化が進んだメモリは緩やかな鈍化にとどまる見通し

メモリの供給不足については、3月にSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が業界全体で20%以上の供給不足が2030年まで続き、原因はウェーハ不足にあると説明し、7月には郭魯正(クァク・ノジョン)CEO自身が2027年を供給面で最悪の年と位置付け、2030年を超えても需要が供給を上回るとしてきました。

しかし、8月27日(現地時間)に開かれた記者会見で郭CEOは、不足が2030年末まで続くとの見方を示し、需要に明確な下降の兆候は見えないとしながらも、2030年以降は需給がより均衡し、AI産業全体は成長を続けると述べました。終わりが見えない形だった7月から、不足の終点が2030年末と明確になった格好です。

その先の減速についても、急落ではなく需要の伸びが緩やかに鈍化する形になるというのが郭CEOの見方です。根拠として挙げたのは製品構成の変化で、過去数十年の下降局面はメモリが100%汎用品だった時期のものであり、現在の製品は部分的または完全にカスタム化され、顧客との連携で将来需要の見通しが立ちやすくなったとしています。需要を事前に読みやすくなったことで、従来のような需給の大幅なミスマッチが起きにくくなり、下降局面でも急落しにくいと見ているようです。

SK HynixのDRAMウェハー増産に向けた新工場は定まらず

この会見に先立ち、米インディアナ州ウェストラファイエットでは新工場の起工式が行われており、同工場は2024年12月に米CHIPS法に基づく4億5,800万ドルの補助金と最大5億ドルの融資が確定した40億ドル超の案件です。ただし建設されるのは次世代HBMのパッケージングラインとAI半導体の研究開発拠点で、クリーンルームの稼働開始は2028年後半、HBM4Eの量産開始は2029年第3四半期の計画です。増えるのは後工程の能力であってウェーハそのものではないため、2029年に同工場が稼働してもコンシューマー向けDRAMの供給が増える要因にはなりません。

このDRAM用ウェーハを増やす生産工場については、7月に崔会長が米国にも生産工場を建てるべきだと述べていましたが、郭CEOは追加投資について「常にオープンだが何も決まっていない」としており、探しているのも開発・テストのニーズを支えられる候補地で、電力・用水・政府の優遇を検討材料に挙げています。なお、DRAM用工場を巡っては日本の宮城県にファブを建設する案もありますが、比較的小規模な生産拠点を構築する方針とも伝えられており、まだ検討段階であるため、実際に工場が建設され量産されるまでは少なくとも4~5年はかかると見られています。

なお、2030年までメモリ不足が続く見通しはSK Hynixが何度か明らかにしていますが、競合のMicronも大手のクラウドサービスプロバイダーと2030年まで続く長期契約を締結するなどメモリ不足が急激に改善する見通しは立っておらず、あと数年間はメモリ価格が高止まりするシナリオが主流となりつつあります。

そのため、PCやスマートフォン、コンソールゲーム機などメモリを使う製品については今後も値上げや価格の高止まりが予想されるため、コンシューマー向け製品を作るメーカーでは統廃合などが数年に渡って続くと考えられそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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