NVIDIAが今秋の投入を予定している「DLSS 5」のランタイムが、ゲームソフトに同梱されていることが判明し、開発元が対応していない既存タイトルでも非公式に動作する状況になっています。
NBA 2K27に同梱されたDLLが数時間で十数タイトルへ対応
DLSS 5は、NVIDIAが2026年3月のGTC 2026で発表したニューラルレンダリング機能で、ゲームの映像に対して照明や質感をAIモデルで描き直し、最大4K解像度でリアルタイムに動作します。DLSS 4では学習モデルが全世代のRTXへ開放されたのとは対照的に、DLSS 5はGeForce RTX 50シリーズ限定で提供されるとされており、投入時期は2026年秋が予定されています。
その正式投入を前に、NBA 2K27の早期アクセス版へ「nvngx_dlssnr.dll」という容量158MBの未見のライブラリが同梱されているのを、Renan Maniero氏が発見しました。識別名は「NVIDIA DLSSNR 310.8.0.0」となっている一方、ゲーム内にDLSS 5の設定項目はなく、NVIDIAも同作を対応タイトルとして告知していません。
このライブラリを有志のコミュニティーがControlへ読み込ませることに成功し、ファイルと手順がDiscord経由で共有されると、適用例はCyberpunk 2077やGTA V、Kingdom Come: Deliverance IIなどへ数時間のうちに広がり、動作したタイトルは十数本に上るとされています。
NVIDIAはDLSS 5の統合に、DLSSやReflexの組み込みにも使われてきた共通の枠組み「NVIDIA Streamline」を使うと明記しており、必要な入力もフレームごとの色情報とモーションベクターにとどまります。そのため、すでにDLSSへ対応している2019年のControlや2015年のGTA Vには必要な材料が最初からそろっており、開発元が手を入れていない旧作でもライブラリを読み込むだけで動く余地があったとみられます。
負荷は大きく、HDRやRay Reconstructionとの併用も不可
MODで適用されるのは現状ではキャラクターモデルのみで、確認されている7種類のスタイルのうち実際に動くのは3種類にとどまるとコミュニティーでは報告されています。また、HDRやRay Reconstructionとは併用できないとのことです。
負荷も大きく、RTX 5090とRyzen 7 9800X3Dを組み合わせた検証では、DLSS 5の有効化でControlのフレームレートが91fpsから50fpsへ低下したと報告されています。ただし、解像度や画質設定は示されておらず、このパフォーマンス低下の幅が製品版でも同様かは不明となっています。
なお、画質の面では、発表直後からキャラクターの顔つきが変わる点に批判が殺到した3月から大きく変わっておらず、今回のランタイムでも顔つきが変わる仕様は残っているようです。一方、NVIDIAは批判を受けて、開発者向けに強度やカラーグレーディング、適用箇所を除外するマスクといった制御を用意するとしています。今回のMODにこの制御はなく、キャラクターへ一律に掛かっているため、秋に登場予定の正式版で批判されていた不自然さがどれぐらい緩和されるのか注目を集めることになりそうです。


