中国の業者が、正規には入手できないGeForce RTX 5090を小売箱のままパレット単位で買い集めており、中国国内で見つかる通常版の大半は、中国以外の国で一般向けに販売されたカードが持ち込まれたものだとMSIが明らかにしています。
中国で正規流通しないRTX 5090が、海外の小売市場から集められている?
GeForce RTX 5090は米国の対中輸出規制により中国へ正規には出荷されておらず、中国向けにはAI処理の理論性能を示すAI TOPSを3,352から2,375へ約29%削ったRTX 5090 Dが用意されてきました。しかし、その後さらに規制が強化されると、VRAMを24GBへ減らしたRTX 5090 D V2へ切り替わり、バス幅と帯域幅も25%減らされましたが、中国での希望小売価格は2,299ドルのまま据え置かれています。


その通常版が中国でどう扱われているのかを示す写真をHKEPCが公開しており、MSI製やGIGABYTE製GeForce RTX 5090が2パレット分積んでラップを掛けた写真や、作業室で箱を開けた作業者がカードをサーバーラックへ挿していく工程が写っています。2025年7月には密輸したRTX 5090のGPUとVRAMを基板から剥がして載せ替える工場の内部が伝えられていましたが、今回の写真には改造の工程がなく、店で売られているカードを買ってきてそのまま筐体へ挿しているだけです。


また、一部投稿には中国のSNS「小紅書」に投稿された画像で、それぞれのアカウント番号も入っていることから中国の多くの業者が各国でRTX 5090を買い集めてAIサーバー化していると見られています。
なお、MSIは2025年10月15日の声明で、通常版を販売しているのは米州・欧州・一部のアジア太平洋市場だけだとしたうえで、シリアル番号で全世界の個体を追跡したところ、中国国内で見つかるカードの大半は、海外でゲーマー向けに店頭販売されたものが正規代理店を通さない並行輸入で中国へ持ち込まれたものだったと明らかにしています。なお、MSIは並行輸入品を中国では保証や修理の対象外にすると通告していますが、AI用途に組み込む業者にとって保証は重要ではないため、この通告が抑止力にはならないと見られています。
国内の在庫もまばら。90万円台でも売り切れる事例あり
国内でも9月に入ってから在庫切れと再入荷を2回繰り返しており、9月11日に在庫のある製品がゼロになったあと、13日に再入荷した製品の最安値は約99万円となり、9月2日の約85万円から2段階で値上がりしています。この値上がりには、メモリ価格高騰に伴うNVIDIA側の供給価格の引き上げも含まれていると考えられますが、RTX 5080などに比べても値上げ幅が大きいことから、メモリ価格高騰だけでなく、非常に高い需要も要因の1つと考えられます。そのため、RTX 5090の購入を考えている場合、AI需要も重なることから値下がりする可能性は極めて低く、しばらくは100万円程度の出費を覚悟する必要があります。


