メモリ価格は「異常な高さ」とSKグループ会長。米国工場を含む増産で値上げ連鎖の回避に意欲

メモリ価格は「異常な高さ」とSKグループ会長。米国工場を含む増産で値上げ連鎖の回避に意欲

SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が、現在のメモリ価格は異常な高値にあるとして、利益率を削ってでも供給を増やす必要があると明言しました。SK hynixによる米国での工場建設の検討も、あわせて明らかにしています。

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メモリ価格は「異常に高い」。値上げ連鎖を防ぐため利益率を削っても増産へ

崔会長は3月にも、業界全体で20%以上の供給不足が2030年まで続くとの見通しを示していましたが、朝鮮日報によると、7月15日に済州で開かれた大韓商工会議所の夏季フォーラムでの記者会見では一歩踏み込み、現在のメモリ価格を「異常に高い水準」と評したうえで、半導体企業自身のためにも供給を増やして価格を下げるべきだと述べました。

その理由として挙げたのが、チップ価格の上昇が最終製品の値上げへ連鎖する「チップフレーション」です。AI企業は投資によってコスト増を吸収できる一方、PC・スマートフォンメーカーは値上がり分を製品価格へ転嫁するしかなく、顧客の大半が個人であるため、値上げには限界があります。高値が長引けば市場そのものが縮小し、高い収益性を見た新規参入が相次ぐうえ、米国や中国などの大国との地政学的な摩擦も生むというのが崔会長の危機感で、「目の前のリンゴを食べ尽くすのは戦略ではない」とも語っています。

需要が落ち込む局面では減産によって価格を支えてきたメモリ業界にとって、利益率を犠牲にしてでも増産するという方針は、従来路線からの明確な転換とみられます。

米国工場は検討段階。候補地を世界中から選定中

増産の具体策として崔会長は、工場を韓国の湖南(ホナム)地域だけでなく米国にも建てるべきだとし、通商圧力なども考慮しながら候補地を世界中から洗い出し、最良・最速・最大という基準で優先順位を付け、迅速に建設するとしています。

SK hynixは米インディアナ州で、HBM向けの後工程(先端パッケージング)工場を約38億7,000万ドルかけて建設中のため、今回検討されているのは、これとは別の生産工場の新設とみられます。同社は7月10日にNASDAQに上場し、約290億ドルを調達しており、こうした資金余力を背景に米国へ投資を行う可能性があります。

供給不足は2027年にさらに悪化。需要5〜6割増でも増産は僅か

一方で崔会長は、半導体価格が当面下がりにくいことも認めています。2027年のAI半導体需要は60〜100%増加しうる一方、大手メーカーで生産を大きく増やすところはなく、AI関連が半導体市場全体の過半を占めるため、総需要でも最低50〜60%の増加が見込まれるとのことです。SK Hynix自身も2027年を供給面で最悪の年と見込んでおり、供給不足はむしろ深刻化に向かう見通しです。

そのため、仮に今回の発言どおり工場建設が進められても、着工から稼働までのリードタイムを踏まえると、増産が店頭価格に反映されるのは早くても数年先です。メモリを含む自作PCやBTOの購入を考えているなら、値下がりを待つ戦略は、少なくとも2027年いっぱいは成立しない前提で動いた方が良さそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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