NVIDIAが次世代GPUプラットフォーム「Rubin」向けに投入する新型ストレージ「CMX」により、NANDフラッシュの需要が急増する見通しです。CMX向けに必要なNAND容量は、2026年の3500万TBから、2027年には1億TBを超える規模へ拡大すると推計されています。
NVIDIA CMXはSSD 576枚搭載。KVキャッシュ用にNANDを大量消費へ
CMXは、NVIDIAがRubin世代向けに用意しているコンテキストメモリストレージで、ストレージプロセッサー「BlueField-4」で駆動されます。長文の読み込みやエージェント型AIの推論では、途中結果を保持するKV(キーバリュー)キャッシュが膨らみ続け、GPUメモリだけでは収まらなくなってきています。このため、CMXはKVキャッシュの保存先として、GPUメモリを拡張する共有ストレージ層を担い、NVIDIAは従来型ストレージと比べて最大5倍のスループットと電力効率を実現するとうたっています。
韓国紙のソウル経済新聞によると、このCMXは1台当たりSSDを576枚搭載し、合計容量は9600TBに達することを明らかにしており、投入は2026年後半に予定されているとのことです。これによりGPUサーバーとは別枠で、NANDを機種単位で大量消費する製品カテゴリが新たに加わることになります。
NAND需要は来年1億TB超へ。サムスン年産の4割に相当
同紙が業界取材を基に伝えたところによると、CMX向けのNAND需要は2026年の3500万TBにとどまらず、2027年には1億TBを超えるまで急増するとのことです。アナリストもこの規模について、NAND市場にApple 1社分に相当する新たな需要が加わるのと等しいと表現しています。
1億TB超という数字は、サムスン1社の2026年のNAND生産量見込みである約2億5000万TBと比べても、4割に相当します。単一の製品カテゴリでこれだけの需要が新たに発生すれば、コンシューマー向けSSDへ回る供給余力が直接圧迫されるとみられます。
NAND需要のピークが2027年と言う話もあるが伸びる可能性も
NAND需要を巡っては、TrendForceが数日前、増産やコンシューマー向け需要の減少に伴い、需要は2027年にピークを迎え、同年後半から価格が下落する可能性を指摘していました。ただし、この予測にCMXなどによる新たな需要が含まれているのかは不明です。ここ最近のAIは、コンテキスト長を拡大するほか、エージェント型AIによる推論をより積極的に活用する方向へ進んでおり、KVキャッシュの重要性は増しています。その一方で、サムスンは400層級の新世代NAND「V10」の量産を開始しており、さらに平沢第4工場で未使用だったNAND専用クリーンルームを活用した増産も計画しています。
そのため、今後の需要と各社の増産ペースによって、NAND需給がピークを迎える時期は変わる可能性があり、楽観視する予測が出ても先行きは不透明な状況です。


