Appleが今秋投入する新型iPhone向けのメモリを確保しきれず、製造済みのプロセッサ約10億ドル分がTSMCの工場で足止めされていることが明らかになりました。
Appleでもメモリが確保できず、完成したプロセッサが工場に積み上がる
今年の新型iPhoneが搭載するA20 Proは、TSMCが今年前半に量産を始めたばかりの最新プロセス「N2」で製造される最初のチップで、そのN2の生産枠は非常に高価であるにもかかわらず、2027年末まで埋まっていると報じられています。
そんなN2で製造されるA20 Proでは、プロセッサとメモリを1つのパッケージにまとめる新しい実装方式「WMCM」で組み立てられる計画となっています。しかし、Culpiumの独自取材によると、このWMCMではDRAMが届かなければ次の工程へ進めず、TSMCは封止待ちのApple向けプロセッサを約10億ドル(日本円に単純換算で約1,580億円)分抱えているとされています。
TSMCが7月16日の決算説明会で示した全社の在庫日数は、前四半期から7日増の87日となっており、こうした滞留が反映されている可能性もあります。
そのため、AppleだけでなくTSMCにとっても、チップ自体は順調に作れているものの、メモリが揃わないため完成品として出荷できず、売上に結びつかない状況になっています。
iPhone 18 ProやUltraは初回在庫で確保が吉?
Apple自身も対応を急いでおり、DRAMはMicronを軸にSK hynixとサムスンからも調達し、組立各社とともに新型iPhone向けメモリの出荷前倒しを進めているとのことです。中国メーカーからの調達を模索してきたのも供給不足の回避が狙いで、この世代のiPhone Ultra・iPhone 18・iPhone 18 Proについては、製品サイクル全体で合計約2億台を生産する計画が組立各社へ伝えられています。これだけの量のモバイル向けDRAMを世代の頭から押さえにいく計画のため、PC向けへ回る分はさらに圧迫されると考えられます。
それでも影響はApple製品に表れ始めており、最量販のMacBook Airが品薄でMacBook Proへの誘導が行われているほか、iPhone 18 Proには最大300ドルの値上げ観測も出ています。
なお、Appleがメモリをどれだけ調達できたかは、新型iPhone発売直後のオンライン注文の納期に最初に表れますが、調達がうまくいっていない可能性が高いため、もしiPhone 18 ProやiPhone Ultraなどの注文を考えている場合は、予約開始日に注文しておいたほうが良さそうです。


