ソニーがPlayStationの広告事業を再始動か。日本含む3か国で専門チームを構築

ソニーがPlayStationの広告事業を再始動か。日本含む3か国で専門チームを構築

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、PlayStation向けの広告事業を担う専門組織の構築を進めていることが、複数の求人情報から明らかになりました。東京勤務の広告営業職も募集されており、日本市場も対象に含まれています。

目次

PlayStationの広告組織は米国・英国・日本の3拠点で立ち上げ

PlayStationへの広告導入は今回が初めての試みではなく、ソニーは2008年にPS3で動的なゲーム内広告を始め、同じ年にはブランド向けの空間を備えた仮想世界「PlayStation Home」も開設しています。2022年にも、ゲーム内へ直接広告を差し込む仕組みを18か月かけて開発しているとBusiness Insiderが報じていましたが、いずれも継続的な事業には育たないまま終わっています。

そうした中で、PlayStationの広告枠を扱う部門「SIE Media Solutions」に広告専門の求人が相次いで出ていることを、米広告業界メディアのDigidayが報じました。7月中旬に掲出されたクライアントパートナーシップのグローバルディレクター職は広告営業組織全体の統括を担う職種で、対象はゲーム機上の広告にとどまらず、広告枠の自動取引(プログラマティック広告)や広告付き無料配信といった広告手段まで含まれています。また、カリフォルニア州サンマテオの本社で募集中の広告技術・運用ディレクター職は、広告配信やオーディエンスターゲティング、効果測定などの配信基盤の構築を担当し、同職が率いるチームは米国・英国・日本の3か国にまたがる編成です。

特に、この中でロンドンで募集されていた広告運用職の募集要項には、この部門が「新設されたPlayStationの広告組織」であることが明記されていました。また、東京でも7月中旬から下旬にかけて広告営業のクライアントパートナー職が掲出されたとみられ、運用チームの編成と合わせると、日本は地域限定の実験ではなく、組織構築の最初から対象に入っています。一方で、広告がどの画面にどんな形式でいつ表示されるのかは求人からも読み取れず、SIEもDigidayの取材には回答していません。

月間アクティブユーザー1.25億アカウントは広告事業にとって魅力的だが反発も?

この動きと前後して発表されたソニーの2026年4〜6月期決算では、PS5の第1四半期出荷が発売以来最少まで落ち込んだ一方、ゲーム事業の営業利益は前年同期比37%増でした。また、ハードウェアはメモリ価格高騰などにより、今後さらに利益率が低下することが予想されています。

そのため、ソニーとしてはハードウェア販売以外からも収益を得られるサービス分野へ軸足を移そうとしていると考えられ、広告事業もその1つになる可能性があります。

PlayStation Networkの月間アクティブユーザー数は全世界で1.25億アカウントに達しており、この規模のユーザーへ継続的に接触できる点は広告事業にとって大きな強みです。さらに、プレイしているゲームや利用サービスなど、ゲームに関する情報を持つため、広告主にとってもゲームやエンターテインメントに関心の高い層へ広告を届けられる媒体として魅力があります。

一方で、PlayStationは無料サービスとは異なり、ユーザーが数万円を支払ってゲーム機を購入し、ゲームソフトやPlayStation Plusにも料金を払うプラットフォームです。そのため、ホーム画面やゲームプレイ中など想定していない場所へ広告を差し込めば、「購入したゲーム機でさらに広告を見せられる」という反発につながる可能性があります。

今回の求人では、ゲーム機上の広告だけでなく、プログラマティック広告や広告付き動画配信も事業領域に含まれています。このことから、SIEはPlayStation Storeや動画コンテンツなど広告との相性が良い場所から展開し、将来的にPlayStation全体を横断する広告事業へ育てることを狙っている可能性があります。一方で、やり方次第では強い反発を招く可能性もあるため、広告収益とユーザー体験をどう両立させるかが導入時の焦点になりそうです。

関連商品
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon価格
¥140,980
2026/09/17 更新
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

目次