ソニーの2026年4〜6月期決算で、PlayStation 5の出荷台数が160万台だったことが明らかになりました。前年同期から36%減で、第1四半期としては発売以来最も少ない水準です。
値上げ後で最初の四半期。台数はメモリの確保量に合わせて絞られた
PS5は2020年11月の発売から6年目に入った製品で、第1四半期(4〜6月)の出荷は、これまで最も少なかった2021年度でも230万台を保っていました。一方、四半期単体で最も少なかったのは直前の2026年1〜3月の150万台で、台数の落ち込み自体は値上げ前から始まっています。なお、ソニーが公表する台数は小売店への出荷(sell-in)ベースで、店頭での実売台数とは異なります。
価格面では、2026年4月2日に国内で4度目の値上げが行われ、通常モデルは79,980円から97,980円へ引き上げられました。今回の4〜6月期は、この改定後の価格が丸々1四半期にわたって適用された最初の期間にあたります。
一方、メモリの調達を巡ってソニーは、2月の決算で年末商戦分のメモリ確保を明言しており、続く5月8日の2025年度決算では、2026年度のPS5について「合理的な価格で調達可能なメモリ数量に基づく台数の販売を計画」していると、台数の決め方をメモリに紐づける方針を示していました。今回の決算資料でも、販売予定台数に対するメモリ必要量の確保は完了しており、ハードウェア損益が前年度並みになる計画に変更はないとしています。加えて値上げ前だった1〜3月の150万台を今回の160万台が10万台上回っていることも踏まえると、この落ち込みは値上げによる需要の急減というより、メモリ調達計画の影響が大きい可能性があります。
台数が36%減ってもゲーム部門の利益は37%増
当四半期のPS4とPS5を合計したフルゲーム販売本数は6,610万本と、前年同期の6,590万本から微増しています。ネットワークサービスの売上も1,726億円から2,086億円へ約21%伸びており、ゲーム部門の営業利益は前年同期比541億円増の2,020億円に達しました。
増益要因についてソニーは米国関税還付と為替の好影響を挙げていますが、台数が36%減っても収益が崩れないのは、2026年6月末までに累計9,530万台まで積み上がったインストールベースからの課金に軸足が移っていることも理由の一つであると考えられます。そのため、少なくともPS6が出るまでは、ソニーが出荷台数を最優先に考える必要性は薄くなっていると言えます。
また、この傾向は通期の計画にも表れており、ソニーは7月にゲーム部門の通期営業利益見通しを6,000億円から6,600億円へ上方修正しています。
通年1,320万台の予測に届くには下期に1,000万台超の販売が必要
利益見通しが引き上げられた一方で、ソニーは台数の通期見通しを開示しておらず、暦年(1〜12月)ベースでは、2026年通年の出荷を1,320万台とする市場予測が示されています。同じ暦年で区切ると、2026年上期の出荷は1〜3月の150万台と4〜6月の160万台の計310万台にとどまります。そのため、この予測に届くには下期だけで1,000万台超を出荷する計算になります。
この予測を達成するには、年末商戦分のメモリが確保済みであると仮定しても、下期に上期の3倍を超えるペースで出荷する必要があり、達成できるかは2026年11月に発売されるGTA VI頼みになるとみられます。ただ、上述の通り、ネットワークサービスの増益によりハードウェア出荷台数が減っても利益を出せる構造に移りつつあるため、ソニーが年末商戦などでPS5のセールなどを積極的に展開する可能性はあまり期待できない状況です。


