ソニーがPlayStation向け新作ゲームのディスク版生産を終了する時期が、当初の計画から1〜2年遅れる可能性が浮上しています。
競合の動向や批判を受けてソニーのディスク廃止は1〜2年先送りの可能性
ソニーは2026年7月1日、2028年1月以降に発売するPlayStation向け新作ゲームについてディスク版の生産を終了すると発表しました。対象は新作のみで、既に発売済みのディスク版や2028年1月より前に発売されるタイトルはこれまで通り遊べますが、中古売買や作品保存のあり方を巡ってユーザーからの批判は発表以降も収まっていません。
こうした中、スペイン版Eurogamerのポッドキャストによると、8月26日から30日にかけてドイツ・ケルンで開催されたGamescom 2026の会場では、この生産終了の時期が1〜2年延びるのではないかという話が複数のパブリッシャーから出ており、業界内でこの見方が強まっているとのことです。また、ソニーが他社に方針転換の余地を与えてしまったと見る別の噂も、この観測を後押ししているようです。
さらに、ある大手パブリッシャーが「超大型タイトル」を巡ってソニーに接触し、物理版を約束できないならPlayStation版の発売を見送ってMicrosoftと任天堂のプラットフォームだけで発売すると伝えたとも報じられています。このパブリッシャーはRockstar Gamesではないとのことですが、社名やタイトル名は不明です。
特に、今回の見直しが検討される背景には次世代Xbox「Project Helix」の存在があるようで、Microsoftは全パブリッシャーに対して、次世代機は「100%フィジカル」で、ディスク版ゲームをデジタル版へ変換できるようになると伝えているとのことです。実際にMicrosoftは8月26日に、対応するディスク版ゲームからデジタル版の権利を取得できる機能を発表しており、8月31日からXbox Insider向けにテストが始まる予定です。権利を取得した後もディスクはこれまで通り使える仕組みです。
延期されてもディスク工場は既に減産。パッケージ版が出てもコード同梱が主流に?
ソニーは2027年以降に発売予定とされるPlayStation 6について現行PS5と同じく着脱式のディスクドライブの搭載を検討していると言われているため、仮に2028年に予定されていたディスク廃止が1〜2年延期されても対応することは可能となります。
しかし、ゲーム向けディスクを製造するソニーDADCのオーストリア・Thalgau工場は、既に光学マイクロレンズの量産へ向けた設備投資と従業員の再配置に着手しており、ディスク事業からの転換を進めています。2028年以降も既存タイトルや映像・音楽向けディスクの生産は続くため、工場全体のディスク生産が完全停止するわけではありませんが、新作PlayStation向けディスクは現在でも工場全体の生産量の約10%にとどまります。そのため、ディスクの完全廃止が延期されたとしても、物理版を巡る縮小傾向そのものが大きく変わる可能性は低いとみられます。
特にPlayStation向けディスクの生産量が減れば、1枚あたりの生産コストが高くなる可能性があるほか、ゲーム容量がPS5のゲームディスクで使える最大100GBを超え、追加ダウンロードが必要になるタイトルもあります。そのため、インターネット環境が整っていてダウンロード比率が高い地域では、パブリッシャー側にとってもディスク版を用意する意義は薄くなると言え、ソニーがディスク廃止を1〜2年延ばしても、GTA VIのようにパッケージの中にコードを同梱するタイプが主流になる流れは変わらないと考えられます。


