スマートフォン向けのDRAMとストレージを合わせた調達価格が1年で4.4倍に上がり、最新世代のフラッグシップSoCの調達価格を追い越したことが明らかになりました。
12GB+256GBの調達額が約5.2万円に。SoCの約4.8万円を上回り部品原価の首位が交代
スマートフォンでは、これまでSoCが最も高価な部品でした。しかし2025年後半からAI向けデータセンターにDRAMとNANDの供給が振り向けられ、スマートフォン向けの調達価格は上がり続けています。

中国のリーカーDigital Chat Station氏によると、ミドルレンジスマートフォンで標準的な構成である12GBメモリ+256GBストレージの調達価格は現在約2,200元(約5.2万円)で、1年前の約500元(約1.2万円)から1,700元(約4万円)上がったとのことです。なお、この金額は端末メーカーが支払う調達価格で、実売価格にはメーカー側の利益や経費なども乗せる必要があります。
加えて、最新世代のフラッグシップSoCの調達価格は現在約2,000元(約4.8万円)で、1年前の約1,500元(約3.6万円)から500元(約1.2万円)上昇しているとのことです。
ただ、SoCも値上がりしているものの、メモリの上げ幅はその3.4倍にあたり、この差でスマートフォンで最も高価な部品がSoCからメモリへ入れ替わったとのことです。
第2四半期にDRAMがSoCを抜いたことは調査会社の分析でも一致
調査会社Counterpoint Researchが7月28日に公表したレポートも、2026年第2四半期のプレミアム帯でDRAMがSoCを抜き、スマートフォンの中で最も高い部品になったとしています。同社によると、この四半期のスマートフォン向けメモリ価格は前期比で80%超上昇し、卸売価格800ドル超のプレミアム帯では部品原価が前年同期比で約50%増えました。この試算はLPDDR5X 16GBとUFS 4.1 512GB、Snapdragon 8 EliteシリーズまたはMediaTek D9000シリーズを前提にしており、Digital Chat Station氏が示した12GB+256GB構成とは異なります。
しかし、逆転はプレミアム帯だけの話ではなく、低価格帯では同等構成の部品原価が前年同期比70%増となり、増加分はほぼ全てメモリです。加えてミドルレンジ向けも部品原価は52%増で、メモリが原価全体の40%を占めているとのことで、このレンジでは価格を抑えるためにプロセッサとカメラの仕様が下げられる傾向にあるとCounterpointは説明しています。
値上げとスペック削減の両方でコスト吸収へ
Googleはメモリ高騰を理由にPixel全機種の値上げを表明する一方で、Pixel 11 Proの256GBモデルはRAMを12GBに抑え、Galaxy S27 Ultraでは背面カメラが4眼から3眼へ減らされる見通しです。値上げ幅だけを見ていると、仕様削減分を含めた実質的な値上げ幅を小さく見積もることになります。
この負担はストレージ容量が大きいモデルほど重く、Counterpointは秋に発売される1TB版のiPhone 18 Pro Maxで部品原価が前年の同等モデルより約300ドル増えると試算しています。販売価格でもiPhone 18 Proは最大300ドルの値上げが見込まれており、スマートフォンは値上がりが続き、購入のハードルもどんどん上がり続ける見通しのようです。


