9月18日に発売されたiPhone 18 Proですが、1TB以上のモデルでは、256GBや512GBに使われるTLCより書き換え耐久性と連続書き込み速度で劣るQLCのNANDフラッシュが中心に採用されていることが明らかになりました。
iPhone 18 Proの1TB以上ではQLCを中心に採用
iPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Maxは256GB、512GB、1TB、2TBの4容量が用意されていますが、Appleはデータを保存するNANDフラッシュの種類や供給元を公表していません。このNANDについては、7月2日にリーカーのReptalica氏がXで、256GBと512GBはSK hynix、キオクシア、SanDisk製のTLCを使う一方、1TBはSK hynix製のQLC「BC8Q-1T」が主力で、サムスン製のTLC「3DV8」は少数だけ混ざり、2TBもSK hynix製のQLCになると投稿していました。
そして9月16日、中国のテック系クリエイターである何同学氏がBilibiliでiPhone 18 Proのレビュー動画を公開し、入手した1TBモデルの実機をもとに、1TB以上のモデルではNANDにQLCが使われ、256GBと512GBはTLCだと説明しました。なお、7月の情報どおりであれば、1TBの一部にはサムスン製のTLCを積んだ個体も混ざることになります。
QLCで差が出るのは大量の連続書き込み
1TB以上で中心に使われているQLCは1つのセルに4bitを記録する方式で、3bitのTLCより同じ面積で多くの容量を確保できる代わりに、書き換えられる回数と連続して書き込む際の速度で不利になります。ただ、短時間の書き込みは高速なキャッシュで吸収できるため、TLCとの差が出るのは大きな動画ファイルのコピーや大容量ファイルの取り込み、空き容量が少ない状態での書き込みのようにキャッシュを使い切る場面に限られ、何同学氏も通常の使い方であればQLCで十分と説明しています。なお、1TBと512GBを同じ条件で比べた速度の測定結果はまだなく、Appleも容量ごとの総書き込み量を公表していないため、速度や寿命の差を数字で比べることはできません。
QLCが中心となった1TBは、256GBと512GBがiPhone 17 Pro比で25,000円の値上げだったのに対し、60,000円の値上げとなり、容量が大きいモデルほど値上げ幅が拡大していました。NANDはサムスンが第2四半期の計画分を含めて年初から200%を超える値上げを進めているほか、Silicon MotionのWallace Kou社長もNAND不足が2028年まで続く可能性を指摘しており、AppleはNANDの使用量が多い1TB以上で、同じ容量を少ないセルで確保できるQLCを選んで調達コストを抑えたと見られます。この状況が続けば、サムスン製のTLCを積んだ1TBも今後は少数にとどまる可能性があります。
QLCはTLCに比べて書き換え寿命が短いなどのデメリットはありますが、一般的な使い方であればiPhone本体を買い替えるまでの期間よりストレージの寿命の方が長いと考えられるため、1TB以上のモデルを避ける理由は特にありません。ただ、AppleもNAND価格の高騰を受け、NANDの種類という購入者からは見えにくい部分でスペックを落としてコストを抑えている可能性があります。


