中国最大のDRAMメーカーCXMTの生産能力が、2028年末には最大で今のほぼ2倍になる見通しです。メモリ不足で大きく稼いだCXMTは増産を急いでいますが、PC向けのDDR5が値下がりに向かうのは2028年からになりそうです。
CXMTの生産能力は2028年末に最大60万枚。2030年の倍増目標に迫るペースで増産
CXMTは中国最大のDRAMメーカーで、サムスンやSK hynix、Micronの大手3社がAI向けのHBMに生産を振り向けるなか、PCやスマートフォン向けの汎用DRAMを主力にしてきました。汎用DRAMではDellやHP、Lenovo、Appleなど大手PCメーカーの受注を集めており、価格も7月にはサーバー向けのDDR5でサムスン製を上回るなど、大手3社と同等以上に設定しています。
そのCXMTの月間のDRAMウエハー生産能力は、Counterpoint ResearchとTrendForceによると、今の約32万枚から2027年には約42万枚へと、1年あまりで約10万枚増えるとのことです。増産は上海と北京の新工場、合肥の生産拠点を中心に進んでおり、業界では2028年末に月50万〜60万枚に達すると予想されています。上限の60万枚なら今の約32万枚のほぼ2倍で、2030年に今の2倍とするCXMT自身の計画に近く、増設のペースは計画よりさらに速まる可能性があるとされています。
CXMTは受注枠の一部が2027年末まで埋まり、10月に示した2026年1〜9月期の売上高の見込みも、前年の8倍を超える約6.3兆〜6.4兆円に膨らんでいます。その増収の理由にはDRAMの供給逼迫と2025年後半からの大きな値上がりを挙げており、メモリ不足で売り先と増産に回す資金の両方を得たことで、計画より速いペースで増産を進められるとみられます。
2027年の増産分は中国国内へ。DDR5が値下がりに向かうのは2028年から
2027年までに増える約10万枚は、中国当局がCXMTに国内企業への供給を優先するよう求めていることもあり、多くが中国国内のAIデータセンターやクラウドの需要に回るとされています。転機はその先の2028年で、CXMTの増産分に大手3社の新工場の分も加わって需給の逼迫が和らぎ、価格競争はまず汎用DRAMで始まると業界ではみられています。PC向けのDDR5もこの汎用DRAMに入るため、値下がりはPCのメモリにも早い段階で及ぶことになります。
国内のDDR5 32GB(16GB×2)の価格は、2025年11月の約3.8万円から今は約8.8万円と、2倍以上に上がっています。ただ、2028年の値下がり幅はJefferiesの予測では平均15〜20%にとどまるため、大手3社と同等以上の価格をつけてきたCXMTが生産能力を倍近くに増やしても、DDR5が以前の値段に戻るのはさらに先になりそうです。


