Microsoftは11月3日(米国時間)、8GBメモリのWindows 11 PCで、複数のアプリを同時に使う作業が最大40%早く終わるようになったことを明らかにしました。改善は25H2のPCにも11月の月例更新で入る見通しで、Microsoftは年末商戦に向けて8GBのPCを売り込む中で40%などの数字を出しています。
8GBのWindows 11 PCで複数アプリの同時使用が最大40%速く
Microsoftは10月15日(米国時間)、Windows 11 26H2では1月の25H2よりスタートや検索などの反応が最大20%速くなり、8GBのPCでは使用中のデータをメモリに残せる量が最大2GB増えると明らかにしていました。11月3日(米国時間)にはWindows部門トップのPavan Davuluri氏が8GBのPC向けの改善をまとめて公表し、複数のアプリを同時に使う作業も1月のビルドより最大40%早く終わるようになったとしています。

最大40%という数字は、Edgeでタブを20枚開いたうえで、4K動画、サイズの大きなWord・PowerPoint・Excelのファイル、Outlook、エクスプローラーを順に開いていく作業で測定されたものです。MicrosoftがHP OmniBook 3(メモリ8GB、Snapdragon X Plus)1台を使い、自社のラボで完了時間を比べています。比較したビルドはどちらも25H2のもので、1月と10月の月例更新をそれぞれ適用した状態です。
Windows側では、以前から使っているメモリ圧縮について、圧縮の度合いや、ストレージへ書き出して読み戻すタイミングを8GBのPC向けに見直しています。10月に示した最大2GBの増加はこの調整によるもので、アプリやタブに戻ったときの読み直しが減っています。メモリの使い方とは別に処理の順番も変えており、ユーザーの操作を優先して、操作中は検索のインデックス作成などの裏の処理を止めるため、更新後の再起動直後でもブラウザーを開くのに待たされないとのことです。

アプリ側では、Microsoft 365のWord、PowerPoint、Excel、Outlookの4つでメモリ使用量が計360MB減っており、複数のアプリを使い続けたときにPC全体のメモリ使用量の増加が最大900MB抑えられたうちの大きな部分を占めるとのことです。起動も速くなっており、Edgeはビルド26300.9818以降のWindowsでEdge 150以降を使うと、すでに起動しているEdgeを再び開くときにWindowsがそのまま要求を渡す仕組みで最大33%速く開き、Teamsも8GBのPCでは効率モードが既定でオンになって最大20%速く起動します。
Windows側の改善は10月28日のオプション更新までに配信済み
40%や反応の20%、最大2GBの改善は、25H2と26H2のいずれも9〜10月のビルドで測ったもので、10月までの更新ですでに配信されています。Microsoftが案内する26H2のビルド26300.9818以降は10月28日(米国時間)のオプション更新KB5127936で入り、ここで新しく加わるのは、Edgeの起動高速化と、表示が速くなり、表示する項目も選べる新しい右クリックメニューが中心です。26H2は25H2にイネーブルメントパッケージを入れるだけで移行でき、基盤も月例更新も共通のため、KB5127936は25H2向けにも出ており、入れていないPCにも11月10日(米国時間)の月例更新で25H2と26H2の両方に配られます。
Microsoft 365とTeamsの改善やEdge 150はアプリの更新で入るため、MicrosoftはWindows Updateの「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオンにするのに加えて、アプリも更新しておくよう求めています。
Microsoftは年末商戦で8GBのWindows 11 PCを売り込み
Davuluri氏は5月に、PC全般でメモリのコストが上がり、メモリが業界最大の関心事になっていると述べており、このコスト上昇でComputex 2026を境に699〜1,300ドル級のノートPCも16GBから8GB構成へ戻っています。そんな中、Microsoftは今回のブログの末尾で、米国のBest BuyとMicrosoft.comが11月2日〜12月25日に8GBのPCを週替わりでセールすると案内しています。同じブログに載せた試験では2026年の8GBのDell XPS 13が2021年の8GBモデルよりCinebenchのマルチスレッドで最大94%速く、Web閲覧や4K書き出しなどでは2021年の16GB構成とほぼ同じ性能だったとのことです。
ただ、3Dモデリングや高度な動画編集、大規模なデータ処理には16GB以上が有利だとも明記しており、Microsoftは年末商戦を前に、日常の作業では8GBで困らないことを、今回の40%を含む数字でアピールしているとみられます。
安く仕入れた部品の在庫が尽きる2027年には、同じ価格帯のノートPCが8GBになり、16GBは上の価格帯に限られていく見通しです。8GBのノートPCがさらに増えるのに合わせて、Microsoftは今後、メモリ圧縮のさらなる改善や、検索とウィジェットなどでのWebエンジンの共有、エクスプローラーやメモ帳などのWinUI 3での作り直しを進めています。8GB向けの最適化は2027年も続き、Windowsとアプリの改善は今後も段階的に入ると見られています。


