2024年以降ミドル〜プレミアム帯のノートPCで標準化しつつあった16GBメモリが、Computex 2026を境に8GB構成へ逆戻りしているようです。DellやAcer、Microsoftが699ドル級から1,300ドル級まで8GB搭載モデルを相次いで投入しており、AI向け需要によるメモリ価格高騰がノートPC新製品の標準スペックにまで波及し始めています。
メモリ価格高騰で8GBメモリ搭載ノートが新製品に搭載
そもそも16GBが標準とされ始めたのは、MicrosoftがCopilot+ PCの認定要件に16GBを据え、Appleも全Macの最低構成を16GBに引き上げたためです。この流れを崩したのが、iPhone 16 Pro向けのA18 Proを転用し8GBで登場したMacBook Neoでした。当初は8GBへの批判もあったものの、基本的な用途では実用的との評価で人気となっていますが、Microsoft陣営もこの動きに合わせ始めているようです。
今回のComputex 2026では、699ドル(約11.2万円)のDell XPS 13がIntel Core Series 3(Wildcat Lake)を搭載しつつ最小構成を8GBからとし、同じく699ドルのAcer Swift Air 14もCore 5と512GBストレージを備えながらメモリは8GBにとどまります。さらに、Microsoftが5月に発表した法人向けSurface Laptop for Business 13インチは、1,299.99ドル(約21万円)という価格でも8GBが最小構成となっており、8GBが低価格帯に限らないことを示しています。
原因はAI需要によるメモリ価格の高騰
8GBへの逆行を招いているのは、AIインフラ投資の拡大によるメモリ価格の高騰です。サムスンは2026年第2四半期のメモリ契約価格を前四半期比で約30%引き上げており、2025年の水準と比べると約2.6倍に達しています。SK HynixやMicronも追従する見通しで、メモリ各社がHBMに生産能力を集中させた結果、PC向けの汎用DRAMは供給不足が続いています。上昇率は第2四半期以降に鈍化するとみられるものの、2026年のDRAM需給は12%の供給不足が見込まれ、価格が2025年秋以前の水準に戻る可能性は低いとされています。ノートPCメーカーにとって、最も値上がりしているメモリの搭載量を削ることは、低価格帯を維持するための数少ない選択肢の一つになっています。
国内でもRAM容量の確認が必要に
日本ではComputex発表モデルの多くが未投入ですが、すでにAppleのMacBook Neoが99,800円から8GB構成で販売されており、低価格ノートで8GBが基本となる流れがやってくると考えられます。ただ、日本ではメモリ価格高騰に加え、円安も進んでいるため、8GBメモリでも割高になりやすい点には注意が必要です。
なお、8GBはウェブブラウジングや軽作業中心であれば耐えますが、複数タブやアプリの同時利用をすると動作が重くなりがちで快適性と言う観点では推奨ができない構成になっています。そのため、長く使う予定であれば、多少の価格差を払ってでも購入時に16GB構成を選んでおく方が無難といえそうです。

