Intel Meteor Lake内蔵GPUはGTX 1650 Ti並みの性能。ノートPCからGPU一掃?

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Intelでは2023年下半期にかけてノートPC向けに第14世代CPUであるMeteor Lakeを投入しますが、このMeteor LakeのCPU性能や内蔵GPU性能など詳細なリーク情報が登場しました。

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Intel ノートPC向け第14世代CPU Meteor Lakeの情報出現。内蔵GPU性能はノートPC向けGTX 1650 Ti Max-Q並みの性能に達する可能性。

Intelでは2023年内にノートPC向けに第14世代CPUのMeteor Lakeシリーズの投入を予定しています。このMeteor LakeではIntelの最新鋭製造プロセスであるIntel 4を用いて製造が行われるとともに、タイルアーキテクチャーと呼ばれるMCM構造が採用され、CPU側はE-Coreに新アーキテクチャーを、内蔵GPU側には性能が大幅向上したAlchemistベースのGPUが搭載されますが、今回このMeteor Lakeの関するリーク情報がMoore’s Law is Deadから登場しました。

Intel 14th Gen Leak: 6.2GHz RPL-R, Meteor Lake Ultra, Arrow Lake are coming for AMD! – YouTube

IntelのMeteor Lakeについてはアメリカの新学期が始まる時期である2023年8月から9月の間に発売が計画されているとのことです。IntelとしてはAMDが2024年に投入するStrix系APUの競争力は非常に高いと見ており新学期など多くのノートPCが売れるシーズンに間に合わせ、少しでも高いシェアを獲得しておきたい構えのようです。一方でデスクトップ向けデスクトップ向けMeteor Lakeについては完全に諦めらた訳ではなく、2024年4月~6月の間に発売がされる可能性があるようです。

同時期にRaptor Lake Refreshも投入されるため、これらの区別するために最近登場した『Core Ultra』シリーズと言うブランド名が新たに投入されます。

CPUの構成に関しては、最上位仕様が6P+8Eの合計14コア20スレッドで、他にも2P+8E構成も準備されています。動作クロックはTDP 45Wモデルではブースト時は最大5.4 GHzで動作しており、28Wモデルについても最大5.2 GHに設定される可能性が大きいようでう。

性能面ではP-Core側のRedwood Coveは前世代のRaptor Lake Refreshに対して+10%のIPC向上が見られるとのことです。一方でE-Core側ではアーキテクチャーが完全刷新されたCrestmontが搭載されますが、IPCの向上代については詳細情報は無いようです。ただ、IntelではGracemontに対して+15%を狙っていたものの、E-Coreのみ搭載のSierra Forest向けに開発しているCrestmont+ではGracemontに対して+8%台に留まっているようです。

消費電力面ではDLVRが搭載されたRaptor Lake Refreshに対して45W動作時の性能は30~45%向上しており、AMDのPhoenixより高い電力効率が期待できるようです。

CPU性能に関して大きく向上するものの、最も大きく進化するのが内蔵GPUとなります。

Core i7では合計128コアの内蔵GPUを搭載し、Core i5以下では最大96基の内蔵GPU搭載ですが、性能面ではCore i7モデルでは3DMark FireStrikeではノートPC向けディスクリートGPUのGeForce GTX 1650 Ti Max-Q並みの性能を発揮しているとのことです。今後、更なる最適化次第ではRTX 3050並みの性能も期待できるようです。

Intelが予測している性能としては現在発売されているAMDのRyzen 7040 (Phoenix)に対して下位モデルは同等となり、上位モデルでは超える性能が期待されているようです。ただ、2024年に投入されるStrix Pointに対しては若干劣る性能のようです。ただ、IntelではL4キャッシュであるAdamantineを512MB搭載した試作版Meteor Lakeをテスト中であり、これらの働き次第ではAMDのStrix Pointに迫るような性能が期待できる可能性もありそうです。

Intel Meteor LakeやAMD Strixなどの内蔵GPU性能向上でOEM各社はエントリー向けノートPCからディスクリートGPUを排除する方向へ

Intel Meteor Lakeに関してはGTX 1650 Ti Max-QやRTX 3050並みの性能を持っているのですが、消費電力に関してはこれらのディスクリートGPUに対して圧倒的に低くなっています。ディスクリートGPUを追加する場合、例えば35Wで動作するRTX 3050と45Wで動作するCPUを組み合わせると最大で80Wとなりアイドル時の消費電力も比較的高くなります。一方で、内蔵GPUのみの場合、効率が向上するためCPU+GPUフルで動作させても最大で50W程度と低くなるとともに、アイドル時に関してはディスクリートGPUとは比べ物にならないぐらい低い電力となります。

そのため、OEM各社ではエントリーレベルのディスクリートGPUをノートPCからは非搭載とし、Meteor LakeやAMDのPhoenixなど高性能な内蔵GPUを搭載する方向へシフトしているとのことです。特にバッテリーの持続時間に関しては効果抜群のようでディスクリートGPUを非搭載とし、Meteor Lakeのみ搭載した試作機では1.4~1.9倍のバッテリー持続時間が確認できたとのことです。もちろん、グラフィック性能はRTX 4060から劣る事にはなりますが、これだけ長いバッテリー持続時間となれば商品力の面で内蔵GPUへ切り替える事が必須となるとのことです。

AMDのPhoenixやStrix、IntelのMeteor Lakeの登場に伴い内蔵GPUの性能は一気に向上しますがこれによって最も大きな被害を喰らうのがNVIDIAのようですね。特にGTX 1650 Ti Max-Q並みの性能であれば低い解像度で軽くゲームをするノートPCであれば必要十分と言えますので、ディスクリートGPUをエントリー向けノートPCで搭載する意味はなくなると言って良さそうです。過去にリークされたStrix Haloなんて出ればミドルレンジも不要になるかもしれません。

何となくですが、Intelが経営危機の中でもディスクリートGPUの開発を辞めなかった背景にはIntelとしては今後ディスクリートGPUがコンシューマー向けからは消え、内蔵GPUに置き換えられていくと予測しているからだったのかもしれませんね。


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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (3件)

  • APUの流れ、個人的にはGPD WINやSteam Deck、Framework Laptopみたいな変態PC好きとしてはヘンテコだけど使えるパソコンがいっぱい出てくるのに繋がるから嬉しい。

  • ハイエンドはモバイル4090等搭載してるんだし、一掃は大げさ。
    GTX 1650 Ti Max-Qなんて性能低いから。
    本来ならもっと数年早く置き換わるはずだったのが遅れている。
    コロナの影響やTSMC5nmの性能が不発だったせいもある。

  • AV1コーデックの事を考えるとこれは嬉しい
    あとは価格か

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