Microsoftのサティア・ナデラCEOは2026年第3四半期の決算説明会で、Windowsを含むコンシューマー向け事業でユーザーを「取り戻す」ことに注力する方針を明らかにしました。
Microsoftはこれまでエンタープライズや政府機関向けを優先する傾向が指摘されてきましたが、CEO自らがコンシューマー向け事業の立て直しに踏み込んだ発言は近年では限られており、Windows品質に対する評判悪化が経営層も無視できない水準に達したと判断したとみられます。
Microsoftが品質回帰を表明。コンシューマー向け事業でユーザー獲得へ
ナデラ氏は決算説明会で、Windows、Xbox、Bing、Edgeといったコンシューマー向け事業について、ファンを取り戻しエンゲージメントを強化するために基礎的な作業を進めている段階にあると述べています。当面は品質と中核ユーザー向けの体験向上を優先する方針で、メモリが少ない端末向けの性能改善やWindows Updateの簡素化など、近頃公表された改善も同戦略の一環として位置づけられました。
メモ帳やSnipping ToolからのCopilotブランド削除、Windows Updateの無期限一時停止機能の開発など、ここ数か月で個別に表面化していた改善は、いずれも今回ナデラ氏が示した「ファンを取り戻す」方針の具体化と見るのが自然です。
なお、Windowsの月間アクティブデバイス数は16億台を超えていることも明らかにされ、ナデラ氏はこの規模を活かしてエッジでの「上限のないインテリジェンス」を提供していく考えも示しており、AIから完全に手を引く訳ではないことも強調しています。
Windows 11では18件以上の改善が予定
MicrosoftのWindows 11は2026年中に18件以上の改善が予定されており、すでにInsider向けに配信されているものも含まれています。主な内容は次の通りです。
- OOBE(初期セットアップ)におけるMicrosoft 365やCopilotなどの宣伝表示の縮小。
- タスクバーを画面の任意の辺に移動できる機能、およびWindows 10相当のサイズ変更機能の追加。
- スタートメニューのReact NativeからWinUIへの移行による、レコメンド表示時の遅延改善。
- メモ帳やSnipping ToolからのCopilotブランド削減を含む、各アプリのCopilot統合の整理。
- File ExplorerのUIちらつき抑制および、ファイル転送・検索の安定性向上。
- ベースラインのRAM使用量削減と、レジストリエディターなどレガシーダイアログのダークモード対応強化。
- コントロールパネルから設定アプリへの機能移行のさらなる推進。
また、これ以外にもWindows K2と呼ばれる社内プロジェクトが発足しており、性能・作り込み・信頼性の3つを中核に、コミュニティ活動を加えた4つの柱でWindows 11への信頼を取り戻す取り組みが行われています。特に、開発文化も「機能追加のスピード優先」から「品質基準を満たすまではプレビュー版にも含めない」方針へと転換が進んでいるようです。Microsoft CEOが品質重視の姿勢を表明し、社内プロジェクトとしても改善体制が整いつつあることで、Windows 11の信頼性は改善方向に向かう可能性が高そうです。ただし、これらの取り組みが実際に体感できるレベルまで届くかは、今後数か月の更新内容を見極める必要がありそうです。


