BMWが、映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』のアニメーションを車載ディスプレイへ配信し、オーナーから広告だとして反発を受けています。これに対し同社は、広告ではないと説明しています。
起動のたびに出るスパイダーマンのバナーをBMWは広告ではないと説明
BMWの車載ディスプレイには以前から、クリスマスなどの祝祭日に合わせて起動時のアニメーション動画を配信する「Festive」アプリが用意されています。今回のスパイダーマンの演出は、この季節演出の枠をそのまま映画のタイアップに転用したものです。
Got this commercial in my car today as part of the Spider-Man - Brand New Day campaign
by u/Milanista58 in BMW
配信期間は7月27日から8月10日までで、対象は2020年7月以降に生産され、BMW Operating System 7以降を搭載した車両です。対象車両では起動時に車載ディスプレイへ専用バナーが表示され、タップすると19秒のフルスクリーン映像が、BGMやアンビエントライトによるライトショーとともに再生されます。この配信は70か国以上で展開されますが、この車載アニメーションの対象国に日本が含まれるかはBMWの発表からは明らかになっていません。

タップしなければ映像は再生されないものの、BMWの案内ではバナー表示そのものを無効化する設定は示されておらず、RedditのBMWコミュニティでは表示を拒否できる設定を求める声も上がっています。これに対しBMWは取材で、このアニメーションは広告ではなく、映画との幅広いブランド提携の一部だと回答しており、劇中にBMW iX3と5シリーズ セダンが登場することを挙げています。
2023年12月、BMWでConnected Company Developmentを担当していたStephan Durach氏は、車載ディスプレイの広告枠を販売する計画はないと述べ、クルマは最後のプライベート空間だとしていました。この発言が否定していたのは、画面の枠を外部の広告主へ売って広告を流すことです。今回についてBMWは、映画とのブランド提携の一環と位置づけています。この整理に立てば、第三者へ画面の広告枠を販売することを否定した2023年の発言とは形式上切り分けられます。
ただ、この線引きを採る限り、BMWが関与するブランド提携のコンテンツは今後も同じ枠で配信できる余地が残ります。
LGモニターやGitHubでも起きていた購入後の画面への広告
購入後の機器や利用中のサービスに後から宣伝が入り込んだ例では、LG製モニターで、接続時にWindows Update経由で導入されるアプリがMcAfeeのポップアップ広告を表示し、批判を受けてLGが無効化に同意しています。GitHubも、Copilotがプルリクエストの説明文へ広告を自動挿入していた件で機能を無効化しており、いずれも批判を受けた後に問題となった表示や機能を引っ込めています。
一方のBMWは今回の配信を広告ではなくブランド提携の一部と位置づけており、現時点では配信を取りやめる動きは見せていません。8月10日の終了も当初から示されていた予定で、今回の反発を受けた撤回ではありません。
BMWは2023年秋、海外の一部市場で提供していたシートヒーターのサブスクリプションを顧客からの不評を受けて取りやめていますが、今回は広告ではないとの立場を維持したまま、予定どおり配信を続けています。今回の件からも、クルマやモニター、ゲーム機などネット接続型の製品を選ぶ際は、広告を出さないというメーカーの表明だけでなく、通知や「おすすめ」の類を設定で切れるかどうかも確認しておく方が確実です。


