TurboQuantはメモリ不足を解決せず。SK Hynixがメモリ需要拡大に繋がることを示唆

TurboQuantはメモリ不足を解決せず。SK Hynixがメモリ需要拡大に繋がることを示唆

SK Hynixの最高財務責任者であるキム・ウヒョン氏が、Google TurboQuantのようなAI向けメモリ効率化技術はメモリ需要を減らすのではなく、むしろ拡大させる方向に進化しているとの見解を示しました。メモリ危機の即時解消を期待する一部の見方を否定するものとなります。

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TurboQuantによるメモリ危機解消の期待に否定的な見解

TurboQuantは2026年3月にGoogleが発表したAI向けメモリ圧縮アルゴリズムで、KVキャッシュを最大6分の1に削減できることから、発表直後にはメモリ需要の急減を予想してDRAMやメモリモジュールを安値で手放す動きも一部で見られました。しかし、数日が経過する頃にはメモリ価格は元の水準に戻り、AI企業からの需要は拡大を続けています。

最適化技術は処理量を増やす方向に進化へ

AI業界全体で活発に進められているソフトウェアおよびハードウェアの最適化も、メモリ需要拡大を後押しするもう一つの要因です。メモリ効率化技術は、一見すると個々のデバイスにおけるメモリ使用量を減らすものに見えるかもしれません。

しかし実際には、メモリ1単位あたりで処理できるコンテキスト量を最大化する方向へ進化しています。これによりAIサービスの採算性が改善し、AIサービス市場全体の拡大につながる好循環が生まれ、結果としてメモリ需要も押し上げると見込まれます。

キム・ウヒョン - SK Hynix CFO

SK Hynixの2026年第1四半期決算説明会での発言で、同氏はTurboQuantのような最適化技術が節約方向ではなく、さらなるAI性能向上とサービス普及を通じた市場拡大の方向に進むとの見解を示しています。もちろん、メモリを製造するSK Hynixのポジショントークである可能性はあるものの、推論コストやメモリ使用効率が改善されることで採算性改善や用途拡大が起こる、いわゆるジェボンズのパラドックスに近い現象はメモリ業界でも十分起こり得ると考えられます。

そのため、TurboQuant発表直後の一時的な価格動揺を受けてメモリ価格が下がるという期待は裏切られる可能性が高く、メモリ大手各社が需要拡大を前提に契約価格の引き上げを続けている現状を踏まえると、DDR5メモリの購入を検討している場合は予算に合う価格で見つかった時点で早めに購入判断をした方が得策といえそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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