TSMCの一部社員が、ボーナス削減の噂を受けてFacebook上で不満を表明しており、サムスン労組のような大規模ストライキも辞さないとの声が出ていることが明らかになりました。
TSMC社員がボーナス削減の噂で反発。58%増益でも待遇悪化を懸念
TSMCは台湾において「護国神山」と呼ばれるほど社会的な存在感を持つ企業で、社員の給与や利益分配ボーナスは長らく業界トップ水準として注目されてきました。しかし、SemiVision(@semivision_tw)が5月23日に投稿した内容によると、社員向けのFacebookページではボーナス削減の噂を受けて反発が広がっており、「サムスンのようにストライキすべき」との声まで上がっているとのことです。
TSMCは2026年第1四半期の利益が前年同期比で58%増という過去最高水準を記録したばかりで、AI向け半導体需要を背景に好調が続いています。それにもかかわらず削減の噂が出ていることに対し、社員側の反発が強まっています。なお、TSMCのエンジニアは中国SMICからの引き抜きの対象となっており、社員の不満が高まれば競合他社へ人材流出のリスクも拡大することになります。
削減理由は非公開。海外ファブ投資や設備投資負担との見方
リーカーのJukan氏(@jukan05)によると、TSMCはボーナス削減の理由を社内向けにも公開していないものの、社員の間では削減の背景として以下の4つの可能性が議論されているとのことです。
- 米国などの海外ファブ建設に伴うコスト負担。
- 2nmやA14(1.4nm)など新プロセス開発に向けた設備投資の増加。
- 株主還元・配当の優先。
- 内部の非公開事情。
TSMCは現在2nmプロセスの量産立ち上げを進めており、こうした設備投資の拡大が経費圧縮の動機になっている可能性が指摘されています。一方、サムスンでは労組のストライキを受けて経営側が譲歩した事例が直近にあるなか、TSMCで同様の事態が発生すればAI向け半導体の供給に直接的な影響が及ぶため、経営側も社員側の反発を無視できない状況です。
なお、TSMCはAI向けGPUやデータセンター向けCPU、Apple Silicon、スマートフォン向けSoCなど先端プロセス製品の製造を一手に担っており、大規模ストライキが現実化した場合は供給遅延が発生し、国内で販売されているグラフィックカードやMac、AI関連機器の価格・在庫にも波及することになります。

