Nintendo Switch 2 ではNVIDIA DLSSを積極採用。多くのゲームは720p出力に？
任天堂の次世代ゲーム機にあたる通称、Nintendo Switch 2では内蔵チップセットにはNVIDIAのGeForce RTX 3000シリーズに採用されていたAmpereアーキテクチャーベースのT239と呼ばれるGPUを搭載し、性能面ではPlayStation 4やXbox One並みのパフォーマンスを発揮すると言われていますがDigital Foundryのポッドキャストに出演するゲーム開発者などによるとSwitch 2のパフォーマンスから古めのタイトルであれば900p~1080p程度の解像度で出力できるものの、最新ゲームの場合は720pを下回る解像度で出力される可能性が高いことを明らかにしています。
Switch 2はAmpereベースのGPUを備えるため、現行Switchより大幅な性能向上が期待できます。そのため、PS4向けに開発されたゲームをSwitch 2へ移植すれば、ドック接続時には1440p近い解像度、ハンドヘルドモードでも900～1080p程度で動作し、PS4を上回るパフォーマンスを発揮できる見込みです。一方で、PS5やXbox Series S/Xといった現行世代機向けの最新タイトルでは、解像度確保が難しく、ドック時で900p程度、ハンドヘルド時は720p以下にまで落とさざるを得ない可能性があるとされています。ただし、ファーストパーティー製タイトルは、低負荷なグラフィックス設計によって、より高解像度での動作が可能になると予測されています。
ただし、懸念点としては現行世代向けタイトルでは多くがUnreal Engine 5 (UE5)をゲームエンジンとして使用していますが、UE5タイトルの場合、低い解像度で出力しDLSSを使用するとLumenなどのライティング機能は非常にノイジーになり、見た目が大きく悪化します。そのため、UE5で画質を維持するにはDLSSの出力倍率自体を下げたり、オブジェクトやテクスチャーを下げるなどの対応が必要になるとのことで、PS5などと比べると画質の低下が顕著に現れる可能性があります。ただ、直接比較すれば違いはあるものの、Switch 2の画面サイズは小さいほか、画質を追求したゲーム機ではないため大きな問題になるとは言えなさそうです。
なお、DLSSに関しては事前に学習が必要であるため、AAAタイトルなどであればPC向けに展開したDLSSをそのままSwitch 2向けに調整して展開すればいいですが、小規模スタジオが開発したゲームでは基本的にFSRを使う傾向にあります。そのため、DLSSを使えないタイトルではアップスケーリングの恩恵をあまり受けることが出来ず、PC版やPS5向けに比べて大幅な画質劣化が見られる懸念がありますが、任天堂がこのあたりで何か独自のアップスケーリング技術などを適用できるようにするのかなど気になる点になりそうです。→事前学習が必要なのはDLSS 1.0時代まででした。ご指摘いただきましてありがとうございます。
DF Direct Weekly #192: PlayStation 30th, New Steam Machines? Indy PC Reaction, New Intel GPUs! | Digital Foundry
コメント
コメント一覧 （2件）
ゲームごとに事前に学習が必要なのはDLSS1の時の話ですよ。
DLSS2以降はNVIDIA側で学習済みのものを組み込むだけなのでDLSSもFSRも開発側の手間は変わりません。
小規模スタジオが開発したゲームでは基本的にFSRを使う傾向にあるというのも間違いで、インディーゲームでの採用数もFSRよりDLSSの方が多いです。
DLSSが個別のタイトルごとに事前学習が必要というのはバージョン1.0の時であって、2.0からは事前学習が不要になったという認識です。
スターフィールドのPC版では発売当初はFSRしか有効化できず、有志のMODでDLSSを利用できるようになったのですが、この場合、有志が独自に事前学習を行っていたわけでもないでしょうし、このことからも現在ではDLSSでは事前学習は必要が無いということなのではないでしょうか？