PlayStationにはAMDとの共同開発によるフレーム生成がいずれ登場するとされていますが、DLSSやFSRで使われている今の方式は、画面を滑らかにできる代わりに入力遅延が増えます。そんな中、ソニーはボタン操作なども使って次の画面をAIで予測し、この入力遅延を減らす特許を出願していることが分かりました。
ソニーの特許はコントローラーの操作も使って次の画面を予測し生成
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、フレーム生成の遅延を減らす方式について、2023年12月の出願を引き継ぐ形で特許を出願しており、その内容が10月15日に米国で公開されました。


この方式は、描き終えた最新のフレームから次のフレームをAIで予測するもので、予測には物体の動く向きと量を示すモーションベクトルに加えてコントローラーの入力も使い、ジャンプボタンが押されていれば、次の数フレームをジャンプの動きとして作ります。モーションベクトルだけで予測すると、今の動きがそのまま続く前提になるため、プレイヤーが操作を変えた瞬間に予測が外れますが、入力も材料にすれば、まだ描かれていないフレームにも操作の変化を反映できます。
DLSS 3などと違って次のフレームを待たず遅延が増えにくい
特許は、NVIDIAのDLSS 3のように、最新のフレームとその1つ前のフレームの間に合成フレームを挟む補間方式では、遅延が大きくなり、フレームレートも揺れやすいと指摘しています。遅延が大きくなるのは、間に挟むフレームを作るには最新のフレームまで描き終わっている必要があり、描き終えた最新のフレームは、合成フレームを先に表示する間、画面に出せずに待たされるためです。ソニーの予測方式では、描き終えた最新のフレームをすぐに表示し、その次のフレームが描き終わるまでの間に予測したフレームを差し込むため、描画の速さに左右されず、一定のフレームレートで表示できるとしています。
ソニーの狙いは30fpsで動くゲームの遅延対策か
PlayStationのAIアップスケーリングはAMDとの共同開発で作られており、PlayStation 5 Pro(PS5 Pro)向けのPSSRは今年改良版になり、10月には無印のPlayStation 5(PS5)向けに軽量版のQSSRも加わりました。PS5とPS5 Proの設計を率いたマーク・サーニー氏は3月、FSRのフレーム生成もこの共同開発の技術に基づくとして、同等のフレーム生成がいずれPlayStationにも登場するとしています。
FSRのフレーム生成はDLSS 3と同じ補間方式のため、これと同等のPlayStationのフレーム生成も、合成フレームを作るたびに次のフレームを待つことになります。据え置き機のゲームには、『Marvel's Wolverine』の画質優先モードのように30fpsを目標とするモードが多く、こうしたモードでは次のフレームを待つ時間が60fpsで動く場合の倍になるため、補間による遅延も大きくなります。この遅延を減らすため、ソニーは共同開発の補間方式とは別に、次のフレームを待たない予測方式を自社で研究しているとみられます。
サーニー氏が今年はもうリリースの予定はないとしているため、FSRと同等のフレーム生成がPlayStationで使えるようになるのは早くても2027年以降になります。今回の予測方式は、特許にPlayStation 6(PS6)などの機種名も導入の時期も書かれていないものの、PlayStationのフレーム生成に加われば、30fpsで動く重いゲームでも遅延を抑えたまま動きを滑らかにできそうです。


