製造原価の上振れが続いてきたPlayStation 6(PS6)で、メモリとSSDだけで680ドル(約10.7万円)と、国内のPS5本体1台分を上回る額になっているとの情報が出てきました。
PS6の製造原価はメモリとSSDだけで680ドル超え。6月の推定から下がる余地はなし
PS6の製造原価について、AMD製品のリークで知られるKepler_L2氏は6月、メモリとストレージの値上がりで約960ドルまで上がったと推定しています。この原価では、ディスクドライブを積まないデジタル専用版を999ドル(約16万円)で売り出すのが、現実的な最良ケースとのことです。
そんな中、同氏はNeoGAFで、約960ドルという推定は高すぎ、ソニーが補助すれば680ドル前後で売り出せるのではないかと問われ、メモリとSSDの原価だけで680ドル(約10.7万円)を超えると返しています。PS6の原価にはこのほか、チップや基板、電源、冷却装置、コントローラーの分も加わるため、680ドル前後で売り出すのは現実的ではなく、6月の約960ドルも高すぎる推定ではなかったことになります。
設計を始めた頃、GDDR7は1GBあたり3ドルまで下がる見込みだった
PS6のチップの設計を始めた頃、GDDR7は1GBあたり3ドルまで下がる見込みだったとのことで、その価格なら、30GBのGDDR7を積むPS6でもメモリ代は1台100ドルに届かない計算になります。PS6のチップは2025年中頃に設計を終えたとされ、設計には2年以上かかることから、着手したのは2023年前後とみられます。当時のDRAMは供給過多で値下がりが続いており、GDDR7も2024年前半の量産開始を控えた新しいメモリで、量産が進めば安くなっていく段階にありました。
PS6はこの安いGDDR7を前提に、TSMC 3nmで作る高価なチップの面積を抑えようと、バス幅をPS5の256-bitから160-bitに絞り、その分の帯域をGDDR7の速さで補う構成を選んだとされています。メモリ価格は2025年秋以降、AIデータセンター向けの需要が急拡大して高騰しましたが、設計を終えたチップを今から作り直して構成を変えれば、多額の開発費がかかるうえ、発売も大幅に遅れることになります。そのため、PS6は値上がりしたGDDR7を30GB抱えたまま発売に向かうとみられます。
メモリの高値は2027年度も続く見通しで、PS6は16万円前後からに
ソニーは5月の決算説明会で、2027年度もメモリ価格は非常に高い水準が続くとの見通しを示し、8月の時点でもPS6の発売時期をまだ決めていないとしています。ただ、発売を遅らせてもメモリが安くなる保証はなく、確保済みとされるTSMC 3nmの生産枠を手放す損失も大きいため、Kepler_L2氏は6月の時点で延期の可能性を否定しています。チップに続いてドライバーの整備も始まっており、2027年秋の発売に向けて開発は進んでいるとみられます。
本体全体の原価は今回示されていないものの、メモリとSSDの分だけで680ドルを超え、発売まで高止まりすることになります。ソニーはPS4以降、発売時から原価を大きく割り込む値付けを避けているため、6月に最良ケースとされたデジタル専用版の999ドル(約16万円)は、PS6の販売価格の下限になる見通しで、ワーストケースでは20万円に迫るような価格帯での販売が現実的となる可能性があります。


