ソニーグループの十時裕樹社長兼CEOが、PlayStation 6(PS6)の発売時期を現時点でも決めていないと述べました。
メモリ価格の見通しが立たず、時期も価格もビジネスモデルも保留に
PS6は、リーク情報では長らく2027年秋ごろの発売が伝えられてきた次世代機で、2025年末以降はメモリ価格の高騰を背景に、2028年から2029年へずれ込むとの延期観測が繰り返し浮上してきました。一方で延期観測に対しては、確保済みのTSMC 3nm生産枠やGDDR7の調達契約を理由に否定する見方も出ていました。
今回、米Wall Street Journalが8月16日に公開した十時氏へのインタビューでも、同氏はPS6の発売時期をまだ決めていないと回答しています。ソニーは5月8日の決算説明会でも、次世代機をどのタイミング・どの価格で投入するかは決まっていないとしたうえで、2027年度もメモリ価格は非常に高い水準が続くとの見通しを示していました。同じ回答が約3か月を置いて繰り返され、その間にメモリ価格が下がる材料も出ていません。
そのため、同紙はAI需要による主要部品の世界的な不足を背景に、2027年のPS6発売への期待はさらに後退したとしています。
PS5の出荷は36%減でもゲーム部門は541億円の増益
4〜6月期のPS5出荷は第1四半期として過去最低となる前年同期比36%減の160万台まで落ち込みましたが、ゲーム&ネットワークサービス分野の営業利益は541億円増の2,020億円と大きく伸びています。収益の軸は、2026年6月末までに累計9,530万台まで積み上がったインストールベースを活用した収益へ移っており、台数が減っても利益が崩れないため、ソニーはPS6の投入時期を今すぐ決める必要がなく、判断を先送りできる状態にあります。
十時氏はインタビューで、ソニーをエレクトロニクス中心からエンターテインメント中心の企業へ転換させる方針を語り、ゲームIPの映画やテレビ番組への展開、ゲームとアニメの組み合わせを具体策として挙げています。加えて、CEOの最も重要な仕事は事業を存続させることだとも述べています。
PS6はデジタル専用版でも国内約16万円。製造原価は1,000ドル目前まで上振れ
ソニーが判断を急がない一方で、PS6の製造原価はメモリやストレージ価格の悪化により3か月で約200ドル上振れし、1,000ドル目前に達したとされています。この水準では、ディスクドライブ非搭載でストレージも抑えたデジタル専用版を999ドル(国内で約16万円)で投入するのが、現実的に想定される最良ケースとされ、日本語専用版が出たとしても12〜13万円は超える見込みです。2027年度もメモリの高値が続くという前提をソニー自身が置いている以上、ここから価格が大きく下がる展開は考えにくい状況です。
なお、従来のリーク情報ではPS6の登場は2027年末頃とされていましたが、これが後退するとPS4ユーザーや新規ユーザーは、PS5を買うかPS6まで待つかの判断を迫られることになります。ただ、現状ではメモリ価格が下がる見通しは立っておらず、PS6の価格が非常に高くなる可能性も加味すると、PS6発売後もPS5は数年間にわたって現役としてラインアップされる可能性が高いほか、中古での売却価格も、PS5本体が値下げされる見通しがないことから高値を維持する可能性があります。そのため、例えばACE COMBAT 8やGTA VIなど、PS5でプレイしたいタイトルがある場合は、PS6の登場時期が流動的であることから、PS6を過度に意識せず購入に踏み切ってもよいと言えそうです。


