GeForce RTX 4090の12VHPWRが使用から1年後に溶損する事例が登場。保証期間後と言う最悪タイミング

NVIDIA GeForce RTX 4090の12VHPWRが使用開始1年後に溶損する事例が登場。大多数のグラボの保証期間後と言う最悪タイミング。

NVIDIAのGeForce RTX 4090から投入された新しい電源コネクターである12VHPWRについてはピン形状が小型化された事に加えて最大600Wの電力供給が可能になるなど利便性は向上したのですが、同時に信頼性は非常に低い規格になっています。と言うのもRTX 4090が発売された直後から複数件の溶損報告が上がりました。

この溶損の原因についてはNVIDIA側はコネクターが適切に挿入されていなかった事によるユーザー過失と結論付けていましたが、保証期間内での修理には対応しています。また、2023年中頃以降には12VHPWRに対して信頼性などを向上させた後継コネクターの『12V-2×6』が搭載されたRTX 4090などが販売されるなどコネクター自体に問題があった事を示唆する行動を取っていますが、この12VHPWRについては1年間程度問題が無くても突然溶損してしまう事例が新たに登場しました。

RedditのpcmasterraceのSub Redditに掲載された情報によると、Byogore氏はASUS製のGeForce RTX 4090なのですが、発売当初に多発していた事例と同じくコネクターの一部が溶損した画像が掲載されています。

掲載したByogore氏によるとこのグラフィックカードは2022年10月13日に購入しその翌日から利用を開始したとの事ですが、コネクターが溶損し故障したのは2023年10月11日という事でほぼ1年と言うタイミングだったそうです。また利用状況としてはケーブルは曲げて使用せず、コネクター自体も奥まで挿入されている事を確認していたとの事です。実際に、写真に写っているケーブルもほぼまっすぐな状態になっており、コネクターに過度な負荷が掛かっていたとは見られない状況になっています。

幸い、Byogore氏の購入したASUS製GeForce RTX 4090は3年間の保証が付与されているため、RMA（メーカーへの修理交換）を申請して交換してもらう予定とのことです。

日本では購入1年以内で保証が切れるグラフィックカードが多い。ユーザーは注意を

海外では家さえ燃えなければメーカーに申請し交換してもらえば済む話なのですが、日本の場合はそうは行きません。

と言うのも日本で発売されているグラフィックカードの多くは保証期間は購入後1年に設定されているケースが多く、2年以上の保証付与には有償と言うケースがあります。（海外同等の無償で3年～4年保証はシリアル登録した場合のGIGABYTEと玄人志向（GALAKURO GAMING）、一部のInno3D製品だけ）

そのため、今回のケースのように購入後1年でコネクターが溶損しグラフィックカードが故障した場合では保証内容によっては有償修理となり、その場合は買い替えと同じ金銭的負担が生じる可能性があります。

この12VHPWRの溶損についてはコネクターをしっかり挿しこめば問題は無いとNVIDIAなどは言っていますが、それでも今回のように溶損する事例が出ています。また、実際にNVIDIAも『12VHPWR』から『12V-2×6』コネクターへ変更した製品を販売している事から何かしらの問題を抱えている可能性はかなり高いと言えます。本来であれば12VHPWRを搭載した製品に対して延長保証の付帯やリコールなどを行うべきなのですが、現時点ではそのような動きは無く残念ながら既存の12VHPWR搭載モデルを持つユーザーは対策のしようが無いのが実情です。