LPDDR6がデータセンター向けに拡張へ。最大512GBとSOCAMM2モジュールを追加

LPDDR6がデータセンター向けに拡張へ。最大512GBとSOCAMM2モジュールを追加

JEDECが、モバイル向けメモリ規格として策定したLPDDR6を、データセンター向けに拡張する作業を進めています。512GBの大容量と省電力を軸にした内容で、スマートフォンや薄型ノートが主戦場だったLPDDRを、AIサーバー向けの主力メモリへ位置付け直す動きとなっています。

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LPDDR6がデータセンター向けに拡張。512GBの大容量を目標に

LPDDRはこれまでスマートフォンやタブレット、薄型ノート向けの省電力メモリとして使われてきました。JEDECは2025年7月に基盤となるLPDDR6規格(JESD209-6)を公開しており、低消費電力メモリを扱うJC-42.6サブコミッティーは現在、この規格をデータセンターや高速計算向けへ広げる改訂を進めています。

改訂の柱となるのが、ダイあたりのインターフェース幅を狭めたx6構成です。1パッケージに搭載できるダイ数を増やせるため、コンポーネントあたりの容量を倍増できます。一方で帯域幅の向上は前世代比で10〜20%程度にとどまる見込みで、今回の改訂が狙うのは速度よりも容量と電力効率だと、規格策定を担うサブコミッティーは説明しています。最終的には512GBの容量到達を目標としており、これは現行のLPDDR5/5Xの上限を超える水準となります。

SOCAMM2モジュールとPIMで省電力・大容量を狙う

今回の改訂では、着脱可能なメモリモジュール「SOCAMM2」の規格も新たに盛り込まれ、現行のLPDDR5X版からそのまま移行できる設計で、すでにMicronはLPDDR5Xを使った256GBのSOCAMM2をデータセンター向けに出荷しています。

このSOCAMM形式は基板直付けに近い実装ながら交換が利き、従来モジュール比で2.5倍の帯域幅と約3分の1の低消費電力をうたう点が、省スペースと省電力を求めるAIサーバーと相性がよいとされています。

加えてJEDECは、メモリチップ内部に演算ロジックを組み込む「LPDDR6 PIM(Processing-in-Memory)」の規格化も最終段階に入っています。データの保存だけでなくメモリ自身が計算を担うことで、CPUやGPUとメモリ間のデータ移動を減らせます。この移動量はAIワークロードで最大のボトルネックとされており、抑え込めれば処理性能と消費電力の両面で利点が見込めます。

薄型ノートやMac向けメモリにも価格圧力が及ぶ可能性

LPDDRは過去5年でモバイル専用から立ち位置を変え、DellやLenovo、HPがLPDDR5を採用したことでクライアントPCにも広がってきました。今回のデータセンター対応は、その延長線上で需要のすそ野をさらに広げるものです。

これまでLPDDRは、サーバー向けDDR5ほど激しい争奪の対象にはなっていませんでした。しかし、すでにIntelはデータセンター向けAI推論GPU「Crescent Island」に160GBやNVIDIAのVeraも192GBのLPDDR5Xを搭載するなどLPDDRがAIデータセンターに組み込まれる流れは現実のものとなっています。

今後、2026年に生産されるメモリの7割がデータセンターに回るとみられるなか、これまで比較的影響の小さかったLPDDRまで本格的に取り込まれれば、薄型ノートやハンドヘルド、Apple Silicon搭載のMacなどもさらなる需要圧力にさらされると見られており、価格高騰に波及する可能性が極めて高いと考えられます。

なお、LPDDR6の主要機能はすでに大半が固まっており、製品への搭載は今後となります。ただ、LPDDR6がデータセンターの調達対象に本格的に加わることで供給に対して需要が上回ることになるため、LPDDR6を搭載するコンシューマー向け製品の投入は後退するか、投入されても高価格帯製品にのみ採用されることが予想されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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