MicrosoftがCopilot+のNPU要件を緩和へ。RTX 3000シリーズ以降でも動作へ

MicrosoftがCopilot+のNPU要件を緩和へ。RTX 3000シリーズ以降でも動作へ

MicrosoftがWindows App SDKの実験的な機能として、NPUを搭載しないPCでもGeForce RTX 30シリーズ以降(VRAM 6GB以上)でローカルAIのLanguage Model APIを実行できるようにしました。これまでCopilot+ PCの要件としてNPUを必須としてきた方針からの転換で、NPUを持たないデスクトップや既存のノートPCにもローカルAIの道が開けます。ただし利用にはWindows Insider Experimental Channelと開発者モードの有効化が必要で、現時点でCopilot+のすべての機能が使えるわけではありません。

目次

Copilot+のNPU必須要件に風穴、RTX 30以降でローカルAIへ

Copilot+ PCはWindows 11のAI機能をローカルで動かす枠組みとして2024年に登場し、その動作には40 TOPS級のNPUが必須とされてきました。当初この水準を満たせたのはSnapdragon XやLunar Lakeなど一部の新型ノート向けプロセッサーに限られ、NPUを内蔵しないデスクトップや旧来のノートPCは対象から外れていました。ところがMicrosoftが公開した新しいSDKにて、NPUを持たずGPUを積んだPCでもローカルAIを動かせる経路が用意されるようになりました。

対象はRTX 3000シリーズ以降で6GB VRAMが必須

新たにローカルAIを実行できるのはGeForce RTX 3000シリーズ以降で、VRAM 6GB以上を備えるGPUが条件になっています。NVIDIAは2024年にGeForce RTXでCopilot+に対応させる構想を示しており、RTXが内蔵するTensorコアはRTX 3060でもINT8で100 TOPS近くと、CPU内蔵のNPUを上回るAI処理性能を持ちます。ただ、当時はNPUはGPUより演算性能では劣るものの、消費電力あたりの効率が高い点が利点で当初MicrosoftがRecallなどローカルAIを常時動かすことを想定していたため、消費電力が大きいGPUでの動作は選択肢として考えていない状態でした。

しかし、TSMC 2nmなどコストが高いプロセスでは貴重なダイ面積をNPUのみに割くことが難しくもなってきており、実際にAMDはZen 6世代からNPUを廃止し、GPU側にAI処理を委ねる方向ともされているため、NPU必須の前提はソフトとハードの両面で薄れつつあります。

Microsoftが囲い込みを緩める理由

Copilot+はユーザーからの評価は低く、PCメーカーやIntel、AMDも対応NPUの訴求や拡大には及び腰になっています。また、直近の状況ではメモリ価格の高騰でPC本体の値上げが続き、8万円以下のエントリー向けPCは2028年までに消滅する見通しです。そのため、今後もNPUが普及する見通しは立てられていませんが、Microsoftでは表に出るCopilotブランドの露出を抑える一方、開発者向けのWindows AI APIや裏側で動くAI機能の開発は継続する方針を示しており、今回のSDKもその一環で、特定のNPU搭載機に縛らず幅広いハードウェアでAIを動かせるようにすることでローカルAI対応の自社製アプリやサードパーティー製アプリの拡充を狙っていると考えられます。

なお、現時点でこのローカルAI機能をRTX 3000シリーズ以降で使うにはInsider Experimental Channelと開発者モードの有効化が前提で、一般ユーザーがすぐ使える段階ではありませんが、今後一般向けに公開されればRTX 3000シリーズ以降を使う自作PCユーザーでもWindowsのローカルAI機能が使えるようになります。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

目次