NVIDIAの決算は絶好調もゲーミング向けGPUは絶不調。ゲーミングGPUの優先順位は低下する事が濃厚に。

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NVIDIAの決算はAIに支えられ絶好調も、ゲーミング向けGPUは絶不調。前年同期比では回復もAI用途や中国での大量買い付けなどが含まれる数字に?

NVIDIAが2023年8月23日に発表した2023年第2四半期では売上高が前年同期比2倍、純利益は9.4倍を記録し株価は急騰しました。この高い売上高と純利益を牽引したのはHopper H100などのデータセンターセクターに含まれるハードウェア売上で前四半期まではデータセンターの売上高は42億ドル(609億円)でしたが、今四半期の決算では103億ドル(1.5兆円)という記録的な伸びを記録しています。

一方で、2021年までNVIDIAの収益を牽引していたGeForceなどゲーミング向けGPUについては前年同期比、前期比共に伸びていますがどうやらこの数字は生成AI向けGPUの供給不足や中国がGPUの輸出規制などに備えた大量買付など実力以上の数字が含まれており、実情は相当低い可能性があるようです。

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NVIDIAが2023年に主力として販売しているグラフィックスカードは主にGeForce RTX 4000シリーズですが、上位のRTX 4090やRTX 4080については発売当初は先代の最上位モデルであるGeForce RTX 3090を超える性能からそこそこ人気はあったももの、価格が非常に高いことから長続きはせず、2023年6月時点では16~24GBという大容量なVRAM容量を高い性能を生成AI目的で使う人が購入していることが販売店からの情報などで明らかになっています。

実際にMoore’s Law is Deadが量販店関係者から入手した情報によると、RTX 4090やRTX 4080の購入者の内、確認できる範囲では約半数がAI用途で購入しているとのことです。

そのため、今回の決算でゲーミングセグメントの売上高が回復しているものの、この売上高の中には生成AI目的での売上も入っており、マイニングブーム時の時のように実力以上の売上高が記録されている可能性があるようです。

また、ゲーミングセグメントで主力を担うRTX 4060やRTX 4060 Tiの販売については中国を中心に販売状況が好調のようですが、NVIDIAやAIB関係者からの証言によると、中国で販売されているRTX 4060やRTX 4060 Ti(特に16GB版)についてはその多くが中国政府が購入し、備蓄しているものではないかとも言われているようです。

中国についてはアメリカ政府がAmpere A100やHopper H100など生成AI用途で強力な性能を持つグラフィックスカードについて実質的に輸出の制限を課しており、その規制は強化される方向に向かっています。

そのため、中国では今後、グラフィックスカードなどの規制が強化されることを想定してCPUやメモリー、そしてグラフィックスカード(特にRTX 4060 Ti 16GBやRTX 4090など)を備蓄している可能性がありこの購買行動もゲーミングセグメントの売上高を実力以上によく見せている可能性があるようです。

今後ゲーミング向けGPUは縮小路線へ向かう可能性も

NVIDIAの過去の売上構成比を見ると、2020年や2021年やその前からもNVIDIAの売上の多くはゲーミングセグメントによって生み出されており、この高い売上高を原動力に高い競争力を持つ製品を次々と投入していました。しかし、2022年以降はデータセンター向けの売上高がゲーミングセグメントを上回り、最終的にはデータセンター向けの売上だけで過去3年間の売上高を上回っています。

NVIDIA GeForce RTX 5000シリーズは2025年発売に。AI向けGPUは2024年に新モデル投入などAI向け優先の姿勢が鮮明に。

そのため、今後はNVIDIAはゲーミングセグメントからデータセンター向けの製品に重点を置く可能性が高く、実際に2024年は現行のGeForce RTX 4000シリーズ発売から丸2年が経過し、過去数年のスパンに倣うと新製品が投入されるタイミングですが、2024年に発売されるグラフィックカードはサーバー・データセンター向け製品のみで、ゲーミング向けグラフィックスカードについては2025年頃発売に延期された事が明らかになっています。

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