4月の時点ではメモリが2027年後半から値下がりすると見ていたキヤノンが、2027年も下がらないと見通しを改め、カメラなどで上がるコストを値上げで吸収する方針を示しました。カメラ事業ではすでにコスト増で利益が削られており、10〜12月期の営業利益率は前年より約5ポイント下がる見込みです。
キヤノンは「2027年後半にメモリ値下がり」の見方を取り下げ
キヤノンは4月23日の第1四半期決算説明会で、メモリの値上がりで2026年の営業利益は前回の計画より503億円悪化し、うちカメラの分は約200億円になるとしていました。悪化がここまで大きくなったのは、年初からメモリが想定以上に高騰し、量を確保するために契約価格の2〜3倍になるスポット価格での調達も受け入れたためとのことです。そのうえで、メモリメーカーの増産体制が整う2027年後半からは価格が徐々に下がると見ていました。
このコスト増を受けて、キヤノンは一部製品をすでに値上げしており、国内でも5月21日にカメラとレンズの計63製品の価格が上がり、EOS R8の直販価格は22万円から24.2万円になりました。
10月27日の第3四半期決算説明会では、メモリや原材料の価格は2027年も下がらず、1年を通してコストを押し上げるとしています。値下がりの前提だったメモリメーカーの増産については、TrendForceによると、新しい工場の本格的な立ち上がりが2027年後半にずれ込み、生産が大きく増えるのは早くても2028年以降になるとのことです。SK hynixもDRAMは2029年まで事実上売り切れだとしており、キヤノンは2027年中の値下がりを見込めなくなったとみられます。
コスト増はカメラの価格に転嫁しきれず。値上げの幅や時期は未公表
カメラ事業では、10〜12月期の営業利益率がメモリの高騰と中東情勢によるコスト増で前年より約5ポイント下がる見込みで、その分を今のところ販売価格に転嫁しきれていないとしています。そのため、上がる調達コストは2027年以降の値上げで吸収する方針ですが、幅や時期、対象の製品は示しておらず、どこまで価格に上乗せするかは、販売数量への影響と損益を見ながら判断するとしています。
5月の国内の値上げは告知から1週間後に実施されており、次も同じ進め方なら、値上げを知ってから買う時間はあまりありません。そのため、もし2027年中に購入検討中のキヤノン製カメラやレンズがあるなら、早めに買っておいた方が良さそうです。


