ASUSは台湾市場のPC価格について、一部製品が2025年第4四半期から2026年5月までに約30%上昇した一方、第3四半期の値上げ幅は一桁にとどまる見通しを示しました。値上げ自体は続くものの、上昇ペースは鈍化に向かっています。
3月に予告した値上げが実現も、下半期は鈍化へ
メモリ・SSD・CPUの同時高騰でPC本体の原価が押し上げられるなか、ASUSは台湾市場で2026年に入ってから第1・第2四半期と続けて値上げを実施してきました。世界シェア上位のDell・Lenovo・HPも相次いで価格を引き上げており、上昇局面は完成品メーカー全体に及んでいます。
約30%上昇は3月予告どおりに実現
ASUSの廖逸翔システム事業総経理によると、台湾市場の一部製品は2025年第4四半期から2026年5月までに、累計で約30%値上がりしました。同社は3月の時点で第2四半期に25〜30%引き上げる方針と、通年で平均販売価格(ASP)が30%上昇する見込みを示しており、今回の実績はその予告がほぼそのまま現実になったことを意味します。背景にあるのはメモリ・ストレージ・CPUの「三重苦」で、RAMやSSDは平時の4〜5倍で取引される異常な高騰が続いています。
Q3の値上げは一桁に鈍化の見通し
廖氏は第3四半期について、価格は調整されるものの上げ幅は一桁にとどまる見通しを示しています。理由としてメモリやストレージなど部品価格が足元でいくぶん落ち着いたことと、消費者の許容度を挙げています。
上半期は値上げ観測から駆け込み需要が発生し、5月までの販売台数は一桁の前年増を維持しましたが、この前倒し需要の反動で下半期の需要は慎重に見られており、ここでさらに二桁の値上げを重ねれば需要を冷やしかねないとの判断があります。台湾首位のASUSが緩やかな値上げに転じたことで、他ブランドも追随して上げ幅を抑えるとみられます。ただし今回ASUSが示したのは台湾市場の見通しに限られ、日本を含む他地域の動向は明らかにしていません。
国内DDR5も高値で膠着、正常化は2028年か
国内の自作市場でも、DDR5の店頭価格はすでにピークを越えています。売れ筋のDDR5 32GB(16GB×2)は1月中旬の約8.9万円をピークに1割ほど下げ、足元は約8万円前後で横ばい圏にあります。ただし、これは高値圏での膠着であって正常化ではありません。
AMDはDDR5価格の正常化を2028年頃と見込んでおり、各社が増産を進めても供給がAIサーバー向け需要に吸収されるため、当面は下がりにくい状況です。値上げ圧力も一様ではなく、調達力に勝るはずのLenovoですら6月に今年2回目の値上げに踏み切りました。各調査会社が2026年のPC出荷を前年比10〜15%減と見込むなか、自作・買い替えを検討するなら、上昇ペースが鈍っても価格自体は高水準が基準になると見ておくのが現実的で、数年以内に高騰前の水準まで戻ることは現実的にあり得ない状況です。

