MicrosoftがIFA 2026で、Windows 11の起動時間とWindows Helloの応答性を改善しているほか、8GBメモリのPCでも快適に動くよう最適化を進めていることを明らかにしました。
メモリ高騰で8GB搭載PCが戻り、Windows 11側の最適化が必要に
Windows 11は8GBメモリの環境では動作が重くなることが以前から指摘されています。メモリ価格の上昇で8GB搭載PCが増えたのを受けて、Microsoftは8月に8GB以上のPCを対象とした品質改善を今秋から広く展開すると示しており、メモリ使用量の削減を重点領域に加えていました。
そのメモリ価格は下がっておらず、DDR5 32GBの下位50%の製品を対象とした平均価格は約8万円台と高値圏に張り付いたままです。さらに2027年分の供給枠は既に完売し、コンシューマー向けの取り分も減る見通しで、8GB構成のPCは今後も増えるとみられます。
この8GB環境への最適化について、IFA 2026に登壇したMicrosoftのマーク・リントン氏(Windows & Devices部門担当の副社長)は、Windows 11の基礎部分に手を入れた結果、起動時間とWindows Helloの応答性が大きく改善したと述べました。あわせて8GBのメモリでも快適に動くよう最適化しているとあらためて言及しましたが、起動時間の短縮は社内の初期ベンチマークに基づくもので、短縮幅やメモリの削減量など具体的な値についてはまだ示していません。
なお、この起動高速化は現行のプレビュービルドには反映されておらず、リントン氏が語ったのはあくまで社内ビルドの結果とのことです。そのため、実際にどれだけ改善されるかは現時点では確認できません。
一方、Windows 11を8GB環境で使うことは厳しいままで、Microsoft自身が販売する8GB版のSurface Laptopでは起動直後にWindows 11だけで4.2GBを消費しており、8GBの半分以上をOSが占めています。OS側の最適化が進んでも、常駐アプリも別途メモリを使うため、8GBの窮屈さは解消しにくい可能性があります。
このようなOS以外の部分については、GoogleがAndroidで端末の総RAM容量に応じてアプリが使えるメモリ量を制限する仕組みを導入するなど、開発者側にもメモリ節約を促しています。MicrosoftもOS側の改善が終わったあとには、Googleと同様に開発者側にもメモリ削減への取り組みを求める必要が出てくると考えられます。
一般提供は今秋以降になる見通し
リントン氏は今回の改善を今後の更新で反映していくとしており、Microsoftは8月の段階で品質改善の一般展開を「今秋」としていました。Microsoftは次期Windows 11の機能更新を2026年後半に予定しているため、起動高速化や8GBメモリへの最適化も今秋以降の更新で反映される可能性があります。
ただ、この最適化が行われてOSのメモリ使用量が抑えられても、8GBでは将来的に不足するのは確実なほか、アプリを使えばすぐに容量不足となります。そのため、新たにPCを購入する場合は多少値段が高くても16GBメモリを最低条件として選ぶことが推奨される状況に変わりはないと言えそうです。


