AMD RDNA4世代 Radeon RX 9000シリーズ について2024年末までに判明している情報

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AMD RDNA4世代 Radeon RX 9000シリーズ について2024年末までに判明している情報

AMDは2022年に発売したRDNA3アーキテクチャー搭載のRadeon RX 7000シリーズの後継モデルとしてRDNA4アーキテクチャーに刷新されたRadeon RX 9000シリーズを2025年1月頃から発売予定です。

ここでは、2024年12月31日時点で明らかにされているRDNA4 GPU搭載のRadeon RX 9000シリーズのリーク情報をまとめて紹介していきます。

Radeon RX 9000シリーズ (RDNA4) のラインアップとスペック

スクロールできます
グラフィックスカードRadeon RX 9070 XTRadeon RX 9070Radeon RX 9060 XTRadeon RX 9060
内蔵GPUNavi 48 XTXNavi 48Navi 44Navi 44
クラスアッパーミドルレンジアッパーミドルレンジミドルレンジミドルレンジ
Compute Unit64コア不明32コア32コア?
Infinity Cache容量64MB48MB32MB32MB?
VRAM仕様20Gbps GDDR6GDDR6GDDR6GDDR6
VRAM容量16GB12GB16GB8GB
バス幅256-bit192-bit128-bit128-bit
帯域幅640 GB/s不明不明不明
TDP280W~330W不明不明不明

Radeon RX 9000シリーズのラインアップは現行のRadeon RX 7000シリーズのようなハイエンドからエントリーまでをカバーするラインアップからは改められ、ボリュームゾーンであるアッパーミドルレンジからエントリーモデルまでをカバーするラインアップになります。そのため、最上位モデルは現行のRadeon RX 7700 XT相当となり、最廉価モデルはRadeon RX 7600相当となると言われています。そのため、初代RDNA搭載のRadeon RX 5000シリーズに近いラインアップでの登場になると言われています。

シリーズ番号とモデル名などは大幅変更。NVIDIAと同じスタイルに

AMDのRDNA系グラフィックカードでは初代RDNAではRadeon RX 5000シリーズと命名され、その次のRDNA2はRX 6000シリーズ、RDNA3はRX 7000シリーズと番号が進んでいましたがRDNA4では数字を1つ飛ばしたRadeon RX 9000シリーズとして発表される見通しになっています。

この理由としてはAMDではRDNA3.5と言うGPUアーキテクチャーを高性能APUであるStrix Halo (Ryzen AI Max+ 300シリーズ)に搭載し、これらに搭載されるグラフィックカードをRadeon 8000Sシリーズとしてラインアップ予定としています。そのため、RDNA4はRadeon RX 9000シリーズと言うシリーズ名になっています。

ただ、この数字の変更だけに留まらずAMDではRadeon RX 9000シリーズから各モデルの性能を示す数字を従来までのRX 7700 XTのような左から2桁目からNVIDIAのGeForceシリーズのように左から3桁目に変更すると言われています。そのため、RX 7700 XTの後継モデルとしてラインアップされるモデルはRX 9700 XTではなくRX 9070 XTとなります。

この変更理由としては、NVIDIA製グラフィックカードのシェアと知名度が高いためモデル名を似せることでNVIDIA製モデルで比較対象とすべきモデルを明確化し、優位性をアピールする狙いがあると感がられています。

GPUアーキテクチャーモデル名
RDNARadeon RX 5000
RDNA 2Radeon RX 6000
RDNA 3Radeon RX 7000
RDNA 3.5Radeon 8000S (Strix Halo APU専用GPU)
RDNA 4Radeon RX 9000

Radeon RX 9070 XT がRDNA4最上位モデルとして登場。命名規則が大変更

発表は2025年1月7日のCES 2025、発売は2025年1月末

AMDは2025年1月7日(現地時間)にCES 2025で基調講演を予定しており、内容は主にコンシューマー向け製品に特化すると見られています。そのため、ノートPC向けAPUのStrix Halo (Ryzen AI Max 300)やKrakan Point (Ryzen AI 300)、デスクトップ向けのRyzen 9 9950X3DとRyzen 9 9900X3Dなどと同時に、グラフィックカードのRadeon RX 9000シリーズが発表されると見られています。

なお発売についてはRadeon RX 9000シリーズの中で最上位モデルとなるRadeon RX 9070 XTが最初に発売される見込みで、2025年1月中旬から下旬(中国の旧正月前まで)に発売が計画されています。

RDNA4アーキテクチャーについて

RDNA4アーキテクチャーはRDNA3の後継アーキテクチャーとして電力効率や性能の向上などが図られる見通しですが、特に力を入れられるのはレイトレーシング関連の処理性能向上になると言われています。

先代のRDNA3はレイトレーシング系処理は主にRDNA2の改良に留まっていましたが、RDNA4では大幅刷新が行われると言われており、NVIDIAに対して性能面で大きく劣っているレイトレーシング性能向上が期待されます。

ただ、AMDではAMD全体としてはサーバー・データセンター向けのInstinctやCPUのEPYCなどが好調であるため収益面では絶好調ですが、セグメント毎で見るとRadeonなどを開発するゲーミング・セグメントは2022年以降、売上高および収益が右肩下がりの状態で、台所事情は決して良いとは言えません。

また、AMDのGPUアーキテクチャーはゲーミング向けに特化したRDNAとサーバー・データセンター向けに特化したCDNAに分けられているため、ゲーミング向けのRDNAに開発費を大量に掛けられない事情があるようです。そのため、RDNA4ではGPUは2つしか用意されず、アッパーミドルレンジのNavi 48とミドルレンジのNavi 44のみになります。

GPUクラスGPU名採用製品
アッパーミドルNavi 48RX 9070 XT / RX 9070
ミドルNavi 44RX 9060 XT / RX 9060

AMDのグラフィックス部門の責任者であるJack Huynh氏によると、このような決定に至った背景として、NVIDIAの最上位モデルやハイエンドモデルと張り合ってもAMDの市場シェア拡大には繋がっていないとのことで、Radeon RX 9000シリーズはミドルレンジ市場を強化し市場シェア拡大を狙うことを明らかにしています。

コストパフォーマンスは高めに? コストに直結するダイサイズは小さめ

アッパーミドルレンジからエントリーに注力し、市場シェア拡大を目論むAMDですが、消費者の心を掴むにはNVIDIA製グラフィックカードに比べて高いコストパフォーマンスが求められますが、実際にこのRDNA4 GPUではコストパフォーマンスの高さが期待できる設計になっています。

GPUダイ搭載グラフィックカード(例)ダイサイズ
Navi 48RX 9070 XT240mm2
Navi 44RX 9060 XT130mm2
Navi 32RX 7700 XT346mm2 (GCD 200/MCD 37 x4)
Navi 33RX 7600204mm2
AD107 GPUGeForce RTX 4050 (ノートPC)159mm2

GPUのダイサイズはコストに直結する要素で、小さければ小さいほどコストは下がる傾向にあります。Radeon RX 9070 XTに搭載されるRDNA4最上位GPUのNavi 48 GPUではダイサイズは240mm2ほどで似たコア数を持つNavi 32 GPUに対して7割程度の大きさで、半分のコア数しか持たないNavi 33に対しては18%しか大きくなっていません。

ミドルレンジからエントリー向けをカバーするNavi 44についてはさらに小さく、Navi 33に対して64%程度の大きさにまで縮小されており、ノートPC向けに搭載されるNVIDIAの最廉価GPU、AD107 GPUをも下回る大きさになっています。

これにより、アッパーミドルレンジのRadeon RX 9070 XTやミドルレンジのRX 9060 XTなどすべてのモデルにおいてコストダウンが可能になり、NVIDIA製グラフィックカードより高い価格競争力を実現する可能性があります。

AMD Radeon RX 8000の情報リーク。最上位モデルはRTX 4080 SUPERに迫る性能?

AMDがRadeon RX 8000ではNVIDIAとの頂上決戦を避けると明言。ミドルレンジモデルに焦点

Radeon RX 9000シリーズ各モデルの詳細スペックについて

Radeon RX 9000シリーズについては現状、最上位モデルのRadeon RX 9070 XTしか詳細仕様は判明していません。

Radeon RX 9070 XT

Radeon RX 9070 XTはRadeon RX 9000シリーズ最上位モデルとしてラインアップされ、Navi 48 GPUを搭載し、64コアのCompute Unitと64MBのInfinity CacheをGPUに内蔵。VRAMは20 Gbps動作のGDDR6を合計16GB搭載し、バス幅は256-bitとアッパーミドルレンジ帯グラフィックカードとしては余裕があるスペックになっており、帯域幅も640 GB/sに達します。

性能についてはリークされている3DMark系ベンチマークではラスタライズ性能はNVIDIAのGeForce RTX 4070 Ti並みである一方で、強化されると言われているレイトレーシングではGeForce RTX 4070 Ti SUPER並みのスコアを記録するなどドライバーなどの完成度が低い中ではまずまずのスコアを出しています。また、実際のゲーミングにおいてはGeForce RTX 4080に対して5%劣る程度になるなど、非常に高い性能が期待できる話もあります。

また、消費電力に関しては定格は270~280W程度に収まる一方で、オーバークロック耐性は高めとのことで一部AIBがリリース予定のモデルでは330W程度の消費電力に設定される可能性があるようです。なお、電源はPCIe 8pinをリファレンスモデルでは採用する見込みで、NVIDIAのように12V-2×6へ完全移行する傾向は確認されていません。

Radeon RX 9070 XTの発売は2025年1月中旬から中国の旧正月前の間に計画されています。

Radeon RX 9070 XT は2025年1月末に発売。電源はPCIe 8pinを継続

Radeon RX 9070 XT は最大3.1 GHzで動作でTDPは270W程度。ゲーミング時の性能はRTX 4080に迫る?

Radeon RX 9060 XT以下のモデル (Navi 44 GPU搭載モデル)

Radeon RX 9060 XTなどミドルレンジ以下のモデルについてはNavi 44 GPUを搭載するということ以外、あまりリーク情報はない状態です。ただ、このNavi 44 GPUについては32コアのCompute Unitを搭載し、Infinity Cacheも32MBになります。VRAM仕様はGDDR6を128-bitのバス幅で搭載するとのことですので、容量は16GBか8GBの2択になります。

このグラフィックカードについてはコア数はRadeon RX 7600 (RX 6600)から変わっておらず、VRAM容量もバス幅も変わっていないなど進化が乏しく性能向上はRDNA4化によるものだけになるため、大幅な性能向上が期待できるモデルにはなりにくいと言えそうです。ただし、上述の通りダイサイズが大幅縮小されているため、発売時に4.5万円を大きく下回ることが期待されており、仮に3万円台で発売となればレイトレーシング性能向上も相まって大ヒットとなるかもしれません。

なおこのRadeon RX 9060 XTなどNavi 44 GPUを搭載するモデルは2025年4月以降に発売されると見られています。

AMD Radeon RX 8000シリーズはCES 2025で発表。下位モデルは2025年中頃

Radeon RX 8600 はCU 32コアとVRAM 8GBに据え置きの可能性

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • Radeonグラボはいつも前評判はめっちゃ良いけど実際そうでもないってのがよくあるから、前日どおりの性能とコスパを発揮して価格競争してほしい

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