Intelのゲームパフォーマンス最適化機能『APO』はRaptor Lake Refreshにのみ動作するようにソフトロック。旧世代とアーキテクチャーは共通だが動作せず。
Intelはゲームのパフォーマンスを大幅に向上させるApplication Performance Optimization(APO)機能を発表しました。一部のゲームでは32%程度のパフォーマンス向上が確認されていますが、現時点でAPOはMetro ExodusとRainbow Six Siegeなど限られたゲームにのみ対応しています。IntelはこのAPOをサポートするゲームを増やす方針を明言しています。
Intel Fixes E-Cores For Gaming, Doesn’t Give 12th & 13th Gen Users The Fix! APO Testing – YouTube
そんなAPOですが、HardwareUnboxedによると仕組みとしては主にE-Coreの動作クロックを向上させるなどの最適化を施すことでゲームでのパフォーマンスを向上させていますが、この機能自体は第14世代デスクトップ向けCPUであるRaptor Lake Refreshにのみ対応する機能になっています。
Installed it earlier along with the new DTT & ME firmware. No 12/13th Gen CPU support for APO.
— Hassan Mujtaba (@hms1193) November 12, 2023
😔 pic.twitter.com/pYftqrNxby
APOが行っている最適化はシンプルなもので、E-Coreのアーキテクチャーは第12世代のAlder Lakeから第14世代のRaptor Lake Refreshまで変更されていません。技術的には第14世代以前のCPUにもAPOを適用することが可能ですが、Intelはこれを第14世代のRaptor Lake Refreshに限定する方針のようです。
実際にこの件についてHardwareUnboxedがIntelの広報担当へ今後第13世代や第12世代へAPOを対応させる計画があるか確認していますが、結果としてAPOを先代のCPUに対応させる事は検討していないと言う回答が得られています。
Intel has no plans to support prior generation products with Application Optimization
Intelが技術的に可能であるにも関わらず、商品戦略上機能を限定することは新しいことではありません。過去にはAVX-512機能が第12世代から第14世代のCPUに技術的に対応していたにもかかわらず、コンシューマー向け製品での使用を防ぐためにBIOSレベルで制限されていました。
今回のAPOに関しても、Raptor Lake Refreshにのみ対応するソフトロック的なアプローチを採用しており、Intelは商品戦略上の差別化を図りたい意向のようですが、この対応はユーザーにとっては残念なものです。HardwareUnboxedのレビューでも指摘されているように、このような対応は、第12世代や第13世代のCPUを使用するユーザーが2024年末に発売予定のArrow Lake-SやAMDのZen 5搭載Ryzen 9000シリーズへの乗り換えを検討するキッカケとなる可能性もあります。そのため、Intelがこの方針を見直すことが望まれます。
コメント
コメント一覧 (1件)
せこいな~と思う反面、まぁ商売なんで仕方ないよね、とも。
ただ、Alderユーザーだけど14世代はスルーでX3D行く予定です。