AMDがZen 6世代EPYCから用途別に細分化する方針を明らかに

AMDがZen 6世代EPYCから用途別に細分化する方針を明らかに

AMDのCEOであるLisa Su氏が決算説明会で、EPYCシリーズを用途別に細分化していく方針と、すでにZen 7世代以降のアーキテクチャー開発に着手していることを明らかにしました。

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AMDがEPYCラインナップの細分化を本格化

Lisa Su氏は決算説明会の質疑応答で、サーバー向けCPUを単一のカテゴリーとして扱う段階は終わったとの認識を示し、ワークロードごとに最適化された製品を投入していく方針を強調しています。同氏によると、データセンター向けCPUは汎用処理向け、アクセラレーター用ヘッドノード向け、エージェントAIワークロード向けといったカテゴリーに分かれつつあり、AMDはそれぞれの用途に対して個別に最適化された製品を用意していくとのことです。

Zen 6世代のVeniceとVeronaで方向性を提示

Zen 6ベースの第6世代EPYCでは、汎用サーバー向けに最大256コアの「Venice」、AIインフラ向けに「Verona」を投入する計画が明らかにされています。Veniceファミリー自体はスループット重視・電力効率重視・コスト重視・AIインフラ重視といった最適化軸の異なる複数モデルで構成されており、このうちAIインフラ専用として設計された初のEPYCがVeronaにあたります。

一方、Su氏が新たに挙げたヘッドノード向けやエージェントAIワークロード向けについては、専用ダイとして開発されるのか、Veniceファミリーのシリコンをクロックやキャッシュ構成で差別化する形になるのかは現時点では明らかになっていません。

EPYCはZen 4世代ではAI/クラウド/エンタープライズ/ネットワーク・エッジ/中小企業向けと明確に細分化されていた一方、Zen 5世代ではラインナップが絞り込まれていたため、Zen 6世代のVenice/VeronaはZen 4世代の細分化路線への回帰といえそうです。

Zen 7以降も用途別設計を継続

Su氏はさらに、Zen 7やZen 8と見られる「Veniceの先のアーキテクチャー」についてもすでに顧客との協議を進めていると述べています。AMDは2030年までにサーバー向けCPU市場が年平均35%で成長し1,200億ドル(約19.2兆円)規模に達すると見込んでおり、開発コストの上昇を踏まえても用途特化型モデルの拡充は採算に見合うとの判断があると考えられます。

先端プロセスでのCPU開発コストは年々上昇しており、本来であればラインナップを絞り込む方が合理的な判断です。それでもAMDが用途別モデルを増やす方針を示した背景には、汎用品では取り込めない需要層が無視できない規模に達していることに加え、主要なハイパースケーラーが自社製カスタムシリコン開発を進めている影響もあると見られます。AMDとしては汎用品で対抗するのではなく、最適化モデルを増やすことでこうした顧客の自社設計化に歯止めをかける狙いがあると考えられます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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