AMDは第6世代EPYCプロセッサ「Venice」がTSMCのN2(2nmクラス)プロセスで量産立ち上げに入ったことを発表しました。HPC向け製品としては業界初のN2採用となり、最大256コアのZen 6を搭載することで現行のEPYC Turinから70%の性能向上を実現するとしています。
6th Gen EPYC「Venice」がTSMC 2nmで量産開始
AMDによると、Veniceは台湾のTSMCにてN2プロセスで量産立ち上げに入っており、HPC向け製品としては業界初のN2採用CPUとなっています。TSMCは2025年末から2nmの量産を開始していますが、初期のキャパシティはAppleのコンシューマー向けシリコンが大部分を占めていたため、AMDのVeniceがHPC・サーバー向けでは一番乗りとなりました。
なお、AMDはTSMC N2プロセスで製造されるZen 6世代のコンシューマー向けRyzenを投入予定で、同製品もEPYCと同じダイを使うと見られています。ただ、収益性が高いサーバー向けを優先して投入するため、Zen 6世代のRyzenに関しては2027年以降に発売される見通しです。
SP7ソケット採用で最大256コア。PCIe 6.0対応へ
Veniceは新しいSP7ソケットを採用し、最大16チャネルのメモリで1ソケットあたり1.6TB/sの帯域幅を実現します。CPU-GPU間の帯域幅も従来比で倍増しており、AMDは規格名には言及していないものの、PCIe 6.0のサポートを示唆していると考えられます。これらのスペックは2025年のAdvancing AIイベントや2026年1月のCESで既に公開されていましたが、今回の量産入りにより年内の出荷予定がより確実なものとなりました。
なお、AMDはVeniceに続く第6世代EPYC製品として、性能/ドル/ワットに最適化された「Verano」も合わせて発表しています。
Intel Diamond Rapidsの遅延でAMDのシェアはさらに拡大か
AMDの直接的な競合となるIntelのP-Core版Xeon 7「Diamond Rapids」は、2027年中盤への遅延が噂されています。Intelが2026年に投入を予定する新サーバー製品は最大288コアのE-Core設計「Clearwater Forest」のみで、これは高密度向けに最適化された製品のため、Veniceが狙う汎用・シングルスレッド性能の市場としばらくは競合しない状況です。
Mercury Researchの調査によると、AMDは2026年第1四半期時点で過去最高となる46%のサーバーCPU売上シェアを獲得しており、これは2025年11月のFinancial Analyst Day時点の約40%からさらに上昇しています。AMDのサーバーシェアは2017年の初代EPYC「Naples」投入時点では1%未満でしたが、約9年で46%まで伸びてきており、Veniceの投入とIntel側の遅延が重なれば、サーバー市場のシェアは50%を超える可能性も出てきます。

