GEEKOM A9 Maxの基本的な仕様について
GEEKOM A9 Max 2026は、GEEKOMが2025年に発売したA9 Maxの改良版です。従来モデルではAMDのRyzen AI 9 HX 370が搭載されていましたが、今回はRyzen AI 9 HX 470にアップグレードされています。
| CPU | Ryzen AI 9 HX 470 (TDP 28W) |
|---|---|
| グラフィックス | Radeon 890M (16CU) |
| メモリー | SO-DIMM DDR5 5600 MT/s = 32GB(シングル構成) |
| ストレージ | PCIe Gen 4 NVMe SSD 1TB (PCIe Gen 4 2280スロットが2つ) |
| OS | Windows 11 Pro |
| インターフェイス | フロント側 – USB3.2 Gen2 Type-A x4 – 3.5mm ステレオジャック リア側 – USB4 Type-C x 2 – USB2.0 Type A x 1 – USB3.2 Gen 2 Type A x 1 – 2.5Gbps イーサーネットポート x2 – HDMI 2.1 x 1 側面 – SDカードリーダー |
| ワイアレス機能 | Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4 |
| サイズ | 幅195 x 奥行き195 x 高さ47.5mm |
| 価格 | 32GB RAM + 2TB SSD : 243,900円 |
GEEKOM A9 Maxのデザインと品質、拡張性について
パッケージと同梱品


パッケージの中には本体とACアダプター、電源ケーブル、HDMIケーブルと本体をテレビやモニター裏に固定するためのVESAブラケットが同梱されています。
デザインと品質:本体は全面アルミ筐体



本体はミニPCらしい正方形デザインになっていますが、本体サイズは大きめになっています。これはRyzen AI 9 HX 470の性能を発揮させるためで、大きめの筐体により冷却性能には余裕があり、ファンノイズもあまり大きくなりません。
筐体の素材はI/O関係のポートがまとめられている背面と底面を除くと全周がアルミニウム合金で作られています。表面はサンドブラスト加工が行われており、質感が高いです。

前面のインターフェースはUSB3.2 Gen 2のType-Aポートを合計4つ搭載し、そのうち1つはパススルー充電に対応しています。また、そのほかはオーディオジャックと電源ボタンが備わっています。

後面は電源入力、USB-PDやAlt-Mode対応のUSB4を2つとHDMI 2.1ポート、最大2.5Gbps対応のイーサネットを2つ搭載しています。またUSB3.2 Gen 2対応とUSB 2.0対応のType-Aポートを1個ずつ搭載しています。
なお、USB-PD入力には対応していますが、同ミニPCは消費電力も50~100W程度必要となるため、USB-PD使用時は高出力な充電器を使わないと電力が足りなくなり電源が落ちます。
拡張性:SSDやメモリーの交換が可能

本体底面にはゴム足が4つあり、これを取るとネジが出てきます。このネジを取り外すことで本体内にアクセスすることができます。


本体底面を覆っている蓋にはWi-Fiのアンテナを備えたブラケットが蓋として覆いかぶさっています。このブラケットを取ることでSSDやメモリーへアクセスすることが出来ますが、Wi-Fiアンテナ用の細いケーブルが繋がれているため、ブラケット取り外し時は慎重に配線を切らないように注意する必要があります。

本体には2つのSO-DIMMスロットが備わっており、1枚あたり64GBのDDR5-5600 MT/sメモリーモジュールまで対応し、最大128GBまで対応しています。加えて、PCIe Gen 4対応NVMe SSDスロットが2つあり、その内1つはType 2230の空きスロットが用意されているため、ストレージの追加も可能になっています。
写真を見ると、今回のモデルでは32GBのMicron製DDR5を搭載していますが、搭載されているスロットは1つだけで、1つは空いていますが、これが後々グラフィックス性能を下げる原因となります。
パフォーマンスについて
Ryzen AI 9 HX 470について

GEEKOM A9 Max 2026にはAMDのRyzen AI 9 HX 470を搭載しています。このAPUはCPU側はZen 5を4コア、省電力なZen 5cコアを8コアの合計12コア構成、24スレッドで動作しています。
動作クロックはベースが2.0 GHz、ブースト時が最大5.25 GHzに設定されています。
内蔵GPUはRDNA 3.5アーキテクチャーで構成されるCompute Unitを16基備えたRadeon 890Mが搭載されており、これらが動作クロック最大2.7 GHzに設定されています。また、内蔵GPUは最大4画面までの映像出力に対応しています。
GEEKOM A9 MaxのCPUパフォーマンス


Ryzen AI 9 HX 470の性能はデスクトップ向けで同じくZen 5を搭載するRyzen 7 9700Xに迫るスコアで、競合であり最新世代のIntel Panther LakeのCore Ultra 9 386Hに対しても同等レベルの性能を発揮しています。
PCMark 10のスコア

PCMark10においては合計6780ポイント記録されています。
ウェブブラウジングや各アプリの起動など日常用途、Wordやエクセルなどオフィス用途、そしてRAWなどの画像編集や動画編集では高いスコアを記録しており、問題なく使える性能です。
ゲーミング性能

Ryzen AI 9 HX 470にはRDNA 3.5で構成されるGPUコアが16基搭載されています。そのため、理論的な性能はデスクトップ向けのGeForce GTX 1650以上が期待できます。
しかし、今回のスコアはGraphics Scoreが2195ポイントと低めの結果になっています。
Ryzen AI 9 HX 470は内蔵グラフィックスであることから、グラフィックス用メモリには本体メモリを利用しています。ただ、A9 Max 2026では冒頭の表に示した通り、DDR5を合計1枚しか搭載していません。そのため、2枚構成であれば89.6GB/sあった帯域幅が41.7GB/sと半分以下に低下し、グラフィックス性能が下がってしまっています。
その他ゲームでのパフォーマンス
| ゲームタイトル | 画質設定 | 平均FPS | Low 1% |
|---|---|---|---|
| Apex Legends | 1080p Mid | 34.2 FPS | 29.9 FPS |
| Cyberpunk 2077 | 1080p Mid | 19.1 FPS | 11.1 FPS |
| GTA V | 1080p Mid | 51.1 FPS | 30.1 FPS |
アップスケーリングなしで1080p解像度の中画質設定で各種ゲームを30分程度、プレイした際のフレームレートは上記のようになっています。
内蔵グラフィックスかつ、メモリがシングルチャンネルになっているため、Apex Legendsなど軽めのゲームでも性能はあまり高いとはいえず、ゲーミング目的で使う場合は上述の通りDDR5メモリの追加購入が必要です。
消費電力と長時間の負荷を与えた際の動き

GEEKOM A9 Maxに備わるRyzen AI 9 HX 470は28Wで動作するように設定されていますが、Cinebench R23など高負荷を与えるとブーストが働き、瞬間最大で65Wで動作し、そのあと8分程度は定格28Wを上回る55Wで動作します。そのあとは消費電力は45Wに引き下げられており、何かしらの制限が設定されているようです。
ただ、これによりCinebench R23のスコアは下がっておらず、21009ポイントを獲得しており、単独で動作させた際とほぼ変わりません。実際に、処理の大部分を担うZen 5コアの動作クロックは下がっていないため、動画編集やエンコードにおいてこの電力抑制による性能への影響は小さいとみられます。
内蔵されているSSDの性能

内蔵SSDはKingston製のPCIe Gen 4対応2TB NVMe SSDが搭載されています。CrystalDiskMarkによる読み取り性能は6,135 MB/s、書き込み性能は5,500 MB/sで、高性能なNVMe SSDとなっています。
GEEKOM A9 Max 2026の最終評価:性能も価格も高い。メモリ高騰の犠牲者
- 最大4画面出力対応
- 高性能なCPU/GPU (GPUは注意あり)
- 金属製筐体で質感が高い
- SDカードスロット標準搭載
- 3年保証が標準で付与
- メモリがシングルチャンネル構成
- GPU性能がメモリの構成により持て余す
- 価格が非常に高い
GEEKOM A9 Max 2026はRyzen AI 9 HX 470を搭載するなどミニPCの中では高い性能を持つ製品ですが、メモリ価格高騰もあってか価格も高価になっており、通常販売価格は243,990円になっています。
この価格は先代のGEEKOM A9 Maxの15万円に対して10万円近い値上げになっていますが、32GBのDDR5メモリや2TBのSSD価格が当時より3~4倍に高騰していることにより値上げをせざるを得ない状況になったと考えられます。
本体の評価としては、デザインやCPU性能には不満が無いものの、Ryzen AI 9 HX 470が持つ高いGPU性能がシングルチャンネルのメモリ構成により発揮できない点が残念といえ、32GB構成であれば16GB x 2枚構成にした方が良かったといえます。
ただ、これもメモリ価格高騰と同時に発生しているメモリ不足にも関連しているといえ、16GBを2枚搭載するより32GBを1枚とする方が調達性が高かったのだろうと推測され、ミニPCを販売する企業側の苦悩が感じられる製品になっています。


