電源ユニットが故障する兆候を5つ紹介。当てはまれば買い替え検討?
コンピューターにはCPUやGPU、メモリーやSSDなど多くの高価なパーツが内蔵されていますが、動作に必要な電源のすべては電源ユニット(PSU)から来ています。このPSUでは100Vの交流電源をCPUやGPUなどが動作できるように直流(DC)の3.3Vや5V、12Vに変換する役割を持っています。
この電源ユニットは各パーツに適切な電圧値で設定された電源を供給する重要な役割がありますが、CPUやGPUほどゲーミング性能に直接影響する事が無いため多くの人が購入後、あまり関心を持たないパーツにもなっています。ただ、これだけ重要なパーツであるため、故障すればPCの動作は不能になり、最悪な場合CPUやGPUなども道連れにして故障させてしまう場合もありますので、今回は電源ユニットが故障する兆候を示す動作を5つ解説します。もしこのどれかに当てはまったら電源ユニットを新品へ交換する事をおススメします。
電源ユニットの高齢化(5年以上)
電源ユニットについては自作PCでない限りBTO PCでは備え付けられているケースがほとんどで、PCの買い替えと共に自動的に買い替えられる存在ですが、自作PCを作る人で電源ユニットを流用して5年以上利用している方は注意が必要です。
電源ユニットには多くのコンデンサー、抵抗器など電子部品が多く積まれており、AC 100Vの電源をDC 12V/5V/3.3Vなどに変換する事から発熱する部品が多く時間と共に劣化していきます。特に高負荷なゲーミングなどを1日数時間するというヘビーユーザーであればなおさらです。
このコンデンサーや抵抗器など電子部品が劣化するとCPUやGPUへ供給する電流が不安定となり想定外の再起動や後述するBSODなどが発生し作業性が悪化するだけではなく、最悪な場合CPUやGPUなどを故障に至らせてしまう可能性があります。
そのため、電源ユニットについては購入後5年を目途に交換する事がオススメされます。なお、一部の高価な電源ユニットでは10年や12年保証などが付与されている場合があります。このような電源ユニットでは5年以上は使えますが、電源ユニットが引き起こす最悪な事態を考慮すると10年や12年など保証期間を上限まで使い切る手前では買い替えるようにすることがオススメされます。
BSOD
ブルースクリーンオブデス(BSOD)は、Windows PCが安全に動作できなくなる致命的なシステム障害によって表示されます。 BSODの原因は多くありますが、以下の5つはハードウェアに直接関係しています。
- 0x00000080:NMI_HARDWARE_FAILURE
- 0x00000122:WHEA_INTERNAL_ERROR
- 0x00000124:WHEA_UNCORRECTABLE_ERROR
- 0x00000127:PAGE_NOT_ZERO
- 0x0000012B:FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGE
これらのエラーはハードウェアが正常に機能していない可能性があります。これは例えばCPUやGPU、マザーボード、メモリーなどの不具合によっても引き起こされますが、疑わしい部品をすべて取り外したり交換してもBSODが頻発する場合は電源ユニットに何かしらの不具合が発生している可能性があります。
異音(高周波音、シュー、パチパチなど)
自作PCやBTO、ノートPCなどで聞こえる音はファンノイズとHDDを搭載しているモデルであればHDDの動作音の2つとなりますが、PC内部からピーと言う高周波な音やジリジリジリと言う古い蛍光灯の様な音、パチパチ音など電気的な音が電源ユニットから聞こえ始めたら注意が必要となります。
このような音はコンセントや電源コードや延長ケーブルなどが原因で発生する場合もありますが、例えばそれらの要因を排除しても同様の音が電源ユニットから聞こえる場合、故障の兆候として電源ユニットの交換を検討し、可能な限り早めに交換する事をおススメします。
搭載するCPUやGPUに対して容量が足りない
故障する兆候では無いものの故障のリスクを大幅に高める行為が搭載されているCPUやGPUに対して電源ユニットの供給電力が合っていないケースです。
GPUについては消費電力の最大値が仕様に記載されているため、電源ユニットの容量を検討する際に考慮する事が出来ている事が多いと考えられますが、CPUについては基本的な消費電力は120~170Wに設定されていますが、高負荷時には性能を上げるために一時的に250~300W近い消費電力となるケースがあります。
このことまで考慮に入れずに電源ユニットを選定している場合、アイドル時や低負荷であれば動作はしますが、ゲームや動画編集などでは電源容量が足りずに電源が落ちるケースや、BSODの頻発、電源ユニットに高い負荷を与え続ける事から電源ユニットの寿命を早めてしまう可能性がありますので搭載しているCPUやGPUに対して電源ユニットの容量が足りなければ交換をおすすめします。
物理的ダメージ
電源ユニットの内部にはコンデンサーや抵抗器など電子部品を多く搭載しているのですが、掃除の際にはこの電源ユニットの中身をのぞいてみる事をおススメします。その際に、内部で膨らんだコンデンサーや焦げ跡、異臭などが見られた場合、故障の一歩手前と言えますので速やかに交換を検討してください。
なお、電源ユニットの内部を確認するためには冷却用ファンの間から覗く程度にし、分解などは絶対にしないようにしましょう。電源ユニットには上述の通り大量のコンデンサーなどが搭載されているため、電源を切った後でも電気が貯められておりショートや感電など危険が伴います。
電源ユニットはPCの心臓部。定期的にチェックしましょう。
コンピュータの心臓部とも言える電源ユニット。それはCPUやGPUなどの重要な部品を適切な電圧で動かし続ける役割を果たしていますが、故障の兆候はひとたび現れれば取り返しのつかないダメージを引き起こすことも。本記事で挙げた5つの兆候は、長年の使用や物理的ダメージ、容量不足などからくるもので、一度発生すればシステム全体に重大な影響を及ぼす可能性があります。
今回の知識を武器に、電源ユニットの状態を定期的に確認し、必要に応じて交換を検討することが重要です。特に自作PCのユーザーにとって、この部分のメンテナンスはそのパフォーマンスを最大限に発揮させ、重要なデータを守るために欠かせない作業となりますのでこれを機会に是非チェックしてみてください。
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