NVIDIAが中国向け脱法グラボ『H20』を2024年6月までに量産開始を計画

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NVIDIAが中国向け脱法グラボ『H20』を2024年6月までに量産開始することを計画

NVIDIAではアメリカ政府が課した中国へ一定の性能を持つ半導体製品の輸出を規制する法律を回避するために規制にかからないレベルまで性能を落とした脱法に近い中国専用グラフィックスカードの開発を勧めています。最近ではGeForce RTX 4090に対して、性能を制限したGeForce RTX 4090 Dを中国専用に発売していますが、近いうちにサーバー・データセンター向けのHopper L20やHopper H20などの投入を計画しています。

NVIDIAは当初はこの2つのサーバー・データセンター向け製品については2023年末から2024年の早い段階で投入を計画していましたが、アメリカ政府関係者から名指しで批判され規制強化を示唆されたり、製造上の不具合に直面するなどで当初計画から発売時期が遅延すると見られています。

しかし、中国のテック系サイト、MyDriversによるとNVIDIAでは新たな規制に対応するサーバー・データセンター向けグラフィックスカードとして最も高い性能を持つHopper H20について優先的に投入を行う構えで2024年6月までに量産開始し、発売を行う計画で有ることが明らかになりました。

H20はNVIDIAのAI向けグラフィックスカードとして最高性能を持つHopper H100と同じH100 GPUを搭載していますが、性能には制限が加えられたモデルになっています。ただ、それでも96GBのHBM3を搭載し、INT8での性能はHopper H100の1600 TFLOPsから大幅ダウンの296 TFLOPsに制限されていますが、浮動小数点演算性能は44 TFLOPsとH100に対して4 TFLOPs減に留まるなど性能は依然として高いグラフィックスカードになっています。

また、サーバー・データセンター向けとして複数のグラボ間で通信が可能なNVLinkを搭載し、7-Wayで接続することも可能になっています。

NVIDIAについてはこの様な脱法グラボを発売し続けることに対して政府関係者からは対策を行うと言われてしまいましたが、その後の交渉でアメリカ政府側の姿勢が若干ソフトになったことからNVIDIAでは途中で販売停止にされてしまうリスクが減ったとして2024年6月までに量産を開始し、販売を始めることとしたようです。

ただ、2024年についてはアメリカ大統領選挙もあるほか、中国側の動きによってはアメリカ政府は再び厳しい姿勢に変わる可能性もあるため、NVIDIAにとっては生産準備を始めることに対してリスクが全くない訳ではないようです。ただ、中国国内ではファーウェイなどが独自のAI用グラフィックスカードの開発に乗り出すなどNVIDIAのシェアを奪おうとする動きもあるため、NVIDIAとしてはリスクがあっても中国市場のシェアを奪われないためなら多少のリスクも許容できるという判断なのかもしれません。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • ファーウェイとか自力で生産して競争力が向上すると、結果としてライバルが強くなるリスクもあるね。エヌビディアがいくらかシェアとってたほうがコントロールできるのかな。中国の投資凄いからね〜。

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